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戦略・戦術

第172号 創業者ならではの大改革とは

社長のための“儲かる通販”戦略視点

 ここ数年、業績が低迷していたファンケルの再建に向け、創業者であり名誉会長の池森賢二氏が、今年5 月、執行役員として経営の一線に復帰したことは記憶に新しい。
 
 前社長の下で、社運を賭けて「ファンケルブランドの再構築」を図ってきたが、思ったような成果が上がらず、また中国事業も、尖閣諸島問題の影響を受け、前期の連結決算は、創業以来初の最終赤字という結果を受けての登板である。
 
 化粧品通販からスタートしたファンケルは、直営店舗販売、卸販売へと事業を拡大し、商品ジャンルもサプリメント、健康食品、雑貨へと順次広げて急成長を遂げてきたが、設立から30年以上が経過した今、「ファンケルのブランド価値もだいぶ下がってしまった」( 池森氏)ことから、75 歳という高齢を押してのカムバックとなったわけだ。
 
 3 年で次世代へ交代することを公言している池森氏は、「創業者の私にしかできない改革を、スピード感を持って果たし、ファンケルを根本から作り直したい」と語っている。
 
 来期からの持ち株会社制への移行で、スピード経営を目指す他、新経営方針として「女性の登用と社員教育」「研究開発・技術力の強化」等をあげている。
 
 社員の教育機関である「ファンケル大学」や、次世代の経営者を育成する「池森塾」の創設、人の皮膚の角質を採取して、そのデータを基に個人に合った化粧品を開発する「パーソナルコスメ」、そして卸を中心とした流通分野の強化など、再成長へ向け、あらゆる改革を打ち出している。
 
 これらは、「私が抜けてから、ベンチャーらしいことは何一つやっていない」と歯痒い思いで苦言を呈
した、池森氏の所信表明でもある。
 
 再生へ向けての基盤づくりと、ベンチャー精神の復活こそが、この大改革の肝と言えるだろう。

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