私たち日本人は、相手の立場が上だとか、年齢が上だとか、在社歴が長いとなると、
意見の違いをストレートに言うことをためらいがちである。
かなり変化してきているようでも、できれば対立を避けて状況を解決したいという、
和の文化と精神構造が心の奥底には残っているからだろう。
しかし、基本的に、私は「イエス」「ノー」をはっきり主張する方に与したい。
「それは間違っているのではないでしょうか」
「私はこうしたいのですが」…
職場の活性化、モラール・アップのためには、
部下として上司に反対意見を述べたり、提案したりすることもあっていいはずだ。
だが、上司に反対意見を述べたり自分の提案をしたりする場合でも、
基本的に守らなければならないルールというものがある。
「ひとつの事柄に対して、『反対』や『提案』も三度まで」
が鉄則である。
一度、二度までは大いに反対意見や自分の案を主張してもよい。
しかし、同じことを三度繰り返して自分の意見と異なる決定がなされた場合は、
即座にその決定に潔く従う姿勢を示すことが大切である。
加えて、自分の意見とは180度違った決定がなされた場合でも、
従うからにはそれがあたかも自分の意見・決定であるがごとく、
積極的にふるまうこともポイントだ。
これができる人間は、現実には100人中で1人か2人しかいないだろう。
そう言うお前はどうなのか?という反論も聞こえてきそうである
しかし、これができるか否かが人間の器量が一流か、二、三流なのかの分かれ目ともなる。
反対意見を三度主張して受け入れられなかったら自分の意見を撤回し、上司の意見・決定に従う。
その決定が自分の意見と100%違っていても、自分の意見・決定であると思い、
その決定、方向に積極的に取り組む。
この二つの原則が守られないと、組織の秩序が混乱し崩壊を招く。
「ものいわねば腹ふくる」とはいうものの、
黙って従うことも、会社という組織の中では求められる場面があるものだ。