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第128回 コミュニケーション上手になる仕事の進め方49「今年の新入社員の傾向と育て方」

デキル社員に育てる! 社員教育の決め手

「仕事のすすめ方」
◆仕事を円滑にすすめる「コミュニケーションのスキル」◆
 

 今回は、「今年の新入社員の傾向と育て方」についてお話します。

 今年の新入社員の傾向ですが、2点ほどあります。1点目は、数年前から指示待ち人間という言葉が出ていますが、全体におとなしい感じが顕著です。自分から何かをというところは、あまり見受けられません。これは年々、まわりから大事にお世話されてきたという印象が強くなっているとも言い換えられます。自分が何かの意思表示をしなくても、周りが先にその何かに気づいてお世話をしてくれるということだったのでしょう。自発性という意味では、個人の能力とは別にやや心配です。2点目は、行動が機敏ではないと感じます。例えば研修の中でも昨年より、「動作が遅いのでやり直し」という言葉を使いました。
 
 このような傾向の新人を育てていくには、今までのような対応では空回りしてしまう場面も出てきてしまいます。それを防ぐために指導は、二つの側面から考えると良いと思います。育てる側もこれからの会社の大事な人材を育てる気持ちを強く持って、新人サイドへ寄り添う対応のところと、ここは新人の傾向とは別に会社の胆であると、以前と変わらぬ姿勢で臨むことです。育てる前に、育て方の全体像をイメージして臨むことが大事と感じます。
 
 まず、実際の育て方に入る前の大事なポイントを5つあげます。
1. 社会人になった日から自分の立ち位置は、お世話をされる側からお世話をする側になったこと、組織の一員になって能動的な動きを会社に提供することでお給料という対価が発生することを理解してもらう。(新人の立ち位置が今までと変わったことをしっかり丁寧に説明する。ここをスタートとする)
 
2. 会社内の人の名前を覚える。同期・先輩・上司・お客様などを同列で、少しでも早く覚えて一人でも多くの人を名前で呼べるよう指導する。
 
3. 部署が違っても会社というチームで動くので活動の角度や距離感が違っていても企業理念に基づいて動く。企業理念は会社の方向性を示すものなので一つ一つの言葉の意味を大事に受けとめることを指導する。また、新人が会社の今日までの歴史を知ることもこれまでの先輩たちの努力を学ぶよい機会になる。見える化した資料で確認させる。新人研修で社長の名前を書いて下さいと言うと、書けない人が残念ながら年に一人か二人いる。
 
4. キビキビ動く。例えば「起立」という号令で起立するとき、運動部出身の人は別だが多くの人が機敏にという意識があまりない。「きりつ」の「つ」の響きが終わらないうちに腰を上げるというように、具体的な指示をだし何回か練習をしてもらう。歩き方も同様、見せる歩き方を意識していないため、どことなくダラダラした印象だ。たかが歩き方ではない。意識して背筋を伸ばし足音もたてすぎないよう、かつ手の指先まで意識して歩くよう指導する。
 
5. 自分の体調管理に責任を持つ。この事も学生時代と違って、理解すべき大事な点だ。「食事・睡眠・一日にためたストレスの解消」が基本。偏りのないバランスのよい食事ができているか。私はある本の中で今日の食事が6ヶ月後の自分の身体を作るという意味の文と出会ってから、好きな物を食べるのではなく、栄養のバランスを優先して食べることが出来るようになった。睡眠もしかりで、一日の中で難しいようなら、一週間単位で不足を補うのも良い。ストレスは小さい塊のうちの解消が一番なので、自分の心がリラックスできるゾーンを探すことを示唆する。
 
 新人の傾向がますます変化してきているので、今はまず、前述の5つのポイントを丁寧に押さえる時期です。例年よりここのところが腑に落ちるように時間をかけることで新人の基礎体力となるでしょう。指導する自分と新人との間の信頼の回路を構築する時間でもあると理解して下さい。次回、新入社員の育て方にふれます。
 
 
■松尾友子氏
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