④手土産の選び方。無難な選択として個包装されているお菓子をお勧めします。一般的には女性が多い職場でしたら甘いものを、男性が多い職場でしたらおせんべいなどの個包装を選ぶと良いでしょう。(最近の男性は甘い物が好きとおっしゃる方も増えているように感じます)買い求める場所はたとえ相手の会社の近くに有名店があったとしても間に合わせてとして買い求めた印象を与えやすいです。
自社の近くで買い求めた物の方が、前もって準備してわが社へお持ちくださったと感じていただけます。持参した手土産は食べ物ですからお渡しするまでの時間も床に置くことのないよう気を配ります。例えばどうぞお掛けくださいと言われた隣の席が開いていたら、「恐れ入ります、こちらに置かせていただいてもよろしいでしょうか」と確認をして置かせてもらいましょう。
担当者が部屋に入って来られたら気配ですぐに立ち上がり、ご挨拶と名刺交換をします。名刺交換が終わったところで担当者から「どうぞお掛けください」のお声かけの前に、手土産をサッと紙袋から出して渡します。(訪問者の上位者から相手の会社の上位者へ渡します)渡しながら例えば、「自社の近くの人気店のお菓子です。心ばかりですが、どうぞ皆様でお召しあがりくださいませ。」などの言葉も必ず添えてください。「つまらないものですが」と言いながら渡すのはNGです。ちなみに、手土産は相手が恐縮してしまうような金額の物を用意するのではなく、三千円程度のものでよいでしょう。手元に残った紙袋は持って帰るのが基本です。
⑤担当者を待つ間、自分だけにお茶が出されたら、そのお茶は飲んでかまいません。一人分のお茶の意味は、お茶を飲みながらもう少しお待ちいただけますかというサインです。
反対に自分の分と担当者の分まで用意されたら、すぐに参りますといサインです。うっかり飲んでしまわないように気をつけましょう。どんなに喉が渇いていても相手に勧められてから飲むのが訪問マナーのルールです。
もしあなたが上司の同行として伺ったときは上司が勧められて飲み始めたのを確かめてからお飲みください。
私はときには研修の前の打ち合わせで会社に伺うこともあります。担当者が打ち合わせに集中され、打ち合わせが終了と同時に驚いたように「申し訳ございません、先生。お茶がすっかり冷めてしまいました。初めにお勧めが出来ず失礼をいたしました。」と言われたことがあります。打ち合わせに熱心なあまりこのようなことが起こることもあります。
⑥打ち合わせの時間については、初めての場合、一時間以内がお願い出来る妥当な時間と考えます。二度目以降は話し合いの内容にもよりますが、両者でお決めになるのでよいのではないでしょうか。
時間が前後して恐縮ですが、アポイントの取り方の注意点を申し上げます。
一番のポイントは「簡潔に」です。電話の場合は、明るい第一声で正しい敬語や言葉遣いが必要です。あなたの印象でアポイントが取れるかどうかがかかっていると言っても過言ではないでしょう。何故電話をしたのか簡潔に伝え、紹介を通してであればその方の名前は早い段階で伝えるとよいです。これはメールであっても同じです。明るい第一声のかわりに、「初めてのご連絡失礼いたします」のような文ではじめます。どちらの手段であっても相手の心に届くのは、相手に寄り添うあなたの気持ちが感じられるかどうかです。
以上のような手順を踏んでの訪問ですから約束の時間を守るのも訪問者側の為すべきことです。訪問した側から必ず「では、そろそろお時間ですから、、、」を言いましょう。その言葉を聞いても来客応対側は、訪問者が実際に腰を上げるのを見てから立つのです。
⑦打ち合わせの結果とは別に貴重なお時間をいただいたことには変わりがありません。心から感謝の言葉を伝えてお暇します。忘れ物など無いようチエックをしてください。また玄関を出ても直帰でない限り、まだあなたは勤務中です。まっすぐ帰社して本日の報告や訪問した会社にお礼の連絡の準備をなさってください。
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