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戦略・戦術

第175号 半径200m

社長のための“儲かる通販”戦略視点

 4 年前には、半径500m だったコンビニの商圏が、現在は200m に狭まったという。ついに、日本のコンビニの飽和点とされていた5 万店を突破したからである。
 
 人口約1 億2,000 万人に対し、コンビニは5 万店。これを単純計算すると、1 店舗あたりの支持人口は、約2,400 人ということになる。近年、この狭小商圏化は、他業界でも起こっている現象だが、コンビニの商圏は、食品スーパー(1 万人) や、ドラッグストア(2 万~3 万人)と比
較しても格段に狭く、競争は激化する一方だ。
 
 しかし、最大手のセブン- イレブンは、2012 年度に1,354 店と過去最高の出店数を達成し、続く13 年度も、四国などの新規エリアを含め1,500 店と、出店をさらに加速させている。
 
 その後を追うローソンやファミリーマートも、積極的な新規出店を計画しており、各社とも攻勢の手を緩めていない。
 
 基本的に、小売業は立地産業であり、顧客に来てもらう商売である。一昔前、コンビニといえばチェーン店が異なっても、品揃えやサービスにそれほど違いはなかったが、近年は、各社の差別化戦略により、その特徴や強みが明確になってきている。
 
 たとえばセブン-イレブンは、話題になった「金の食パン」をはじめとする高級路線のプライベートブランド(PB)を強化。2015 年度までには、今の20 品目から300 品目に拡大すると意気込んでいる。またファミリーマートは、「プレミアムチキン」などレジ回り商品の高付加価値化と、PB の品揃えの拡充を進めている。
 
 そしてローソンは、業界で先駆けて「ローソンプラス」「ナチュラルローソン」など、店舗形態の差別化を試みており、生き残りを図っている。
 
 このように各コンビニは、独自色を強めて進化しているが、商圏が狭くなる中、これらの“待ちの商売”だけでは厳しい時代となっている。この打開策として、法政大学ビジネススクールの並木教授は、「出ていくことで商圏は広がる」として、“攻めの商売”の重要性を説いており、「最終的には“玄関の戦い”になる」と指摘している。
 
 つまり、狭小商圏化時代においては、お客が来るのを店舗で待つのではなく、固定客を一軒一軒訪ねて“御用聞き”に匹敵する接点を多く持ち、ニーズを的確に把握して、それに応えるといった商売の深耕が大切なのだ。
 
 小商圏で稼ぐビジネスの手法は、通販に置き換えれば、ロイヤルカスタマーの育成であり、客単価アップを図るクロスセルでもある。
 
 元々商圏を持たない通販業界では、ドア・ツー・ドア、フェイス・ツー・フェイスの世界観でビジネスをしており、あらゆる業態が、この方向性にある。好調を維持する。
 
 
 
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