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人事・労務

第51話 上手な中途採用には社内バランスが大切です

「賃金の誤解」

 人材を採用する時のように人が人を考課する場面では、アバタもエクボ(ハロー効果)が最大の問題であり、見込み違いを少しでも減らすためには複数の評価者による総合判断が必要だと第27話で申し上げました。
 
 採用面接には冷静に判断できる関係者を複数同席させ、役割を分担しながら、応募者の (1)過去:これまでの職務経験(言いたくないことも含めた職歴)(2)現在:どんなことがどこまでできるか。職務遂行に欠かせない専門知識や常識の有無・特技や適性・長所や熱意等を可能な限り正しく把握し、(3)採用後:組織の一員としてどこまで期待できるか、仕事力を冷静に見極めねばなりません。
 
 このような評価手順を経て、相応しい候補者を絞り込みます。当然のことですが、選ばれた応募者にも選択の自由はあるわけですから、雇用条件、特に処遇と給与を正しく提示しなければなりません。
 
 正社員採用の面接の場面では「いままで幾ら貰っていたの?幾ら欲しいの?」などと聞いてはいけません。不安げに聞かれただけで、会社が安っぽく見られてしまいます。
 
 将来を託せる会社だと確信させるためには
 
1)はじめに採用後に担当する予定の仕事を説明し、
  その難易度と責任の重さから責任等級が定められていること。
  もしも「業務に関する高度の知識と経験にもとづいて、
  比較的複雑な専門的業務を任せたい」のであれば、
  それはIII等級だと説明します。
 
2)次にその人の実力、経験、職歴、習熟等を判断して、
  妥当と思われる等級内での位置(号数)を、
  在籍者との社内バランスを勘案して決定し、
  基本給額が公正に決められることを説明します。
 
 さらに選ばれた対象者への具体的な説明を例示すれば「君の仕事力を期待して、役割を決めました。それは上級職(III等級)の仕事であり、経験と習熟度を考慮して号数を確定しました。その基本給は27万円であり、所定の手当が加算されますから、今年の所定内給与は30万円になります。加えて半年ごとの勤務成績を評価し、夏と冬の賞与額に反映させます。更にこの年二回の成績評語を重要な資料として4月に実力昇給を実施します」と社員が安心して仕事に励める賃金人事制度を導入している会社であることを丁寧に説明してください。
 
 安定した職場で仕事力を発揮して行きたいと考えている健全な候補者であれば納得して仕事の仲間に加わってくれるに違いありません。

 

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