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社長業

Vol.79 会社を、もっと強くする「魔法のコトバ」

作間信司の経営無形庵(けいえいむぎょうあん)

 先週、四国のT社の事業発展計画の発表会に出席させて頂き、正教庵の柳田泰秀上人のお隣りに座らせていただいた。
 平成14年に八十八ヶ箇所をまわられたと伺い、かねてから興味をもっていたので感想・効用を聞いてみた。
 
 「人間にもどれる」と一言。
 
 意味が良く判らないないので、どういうことか詳しく聞いてみると
 
普通のこと、当たり前のこと、あって当然のもの、すべてに「ありがとう」という感謝の気持ちが身体の中からわいてくる。と。
 
 八十八ヶ箇所、1400kmを一気にまわることを「通し打ち」と呼ぶそうで、42日間でまわったそうであるが、夜になると本当に足が動かなくなる程の苦業だそうだ。普通に歩ける足に本当に感謝の念がわいてきて、歩いている途中でも、自然に涙が溢れ出すそうだ。
 故に人間にもどれる。と。
 1100年もの長きにわたって続くものには、本質的な力があるのかも知れない。
 
 業績が順調であればある程、社長の「感謝」「ありがとう」の心と言葉は、会社をもっともっと強くする。
 
*   *   *   *   *
 
追伸:不謹慎にも、発表会に先立ち四番札所に車でおまいりしてしまった。楽をしては、足も痛くなかったし、涙も全く出なかった。
   尚、四国の銘菓「畑田本舗」さんの玉の石という和菓子の栞(しおり)に、四国遍路の開祖「衛門三郎」の物語がある。
 
 四国遍路の風習は平安時代からあり八十八ヶ所になったのは室町時代から。では、最初に巡礼に出たお遍路さんのルーツはというと、愛媛には次のような伝説が残っています。
 伊予の国、浮穴郡荏原(うけなぐんえばら)の里に、衛門三郎(えもんさぶろう)という強欲な郷長(ごうちょう)が住んでいました。ある日、托鉢に訪れた僧に非情な仕打ちしてしまった三郎は、次々と不幸に見舞われます。僧が弘法大師だったこと知り、懺悔の気持ちを胸に旅に出た三郎が、大師に出会えたのは二十一回目の巡礼の時。過酷な旅で、病に倒れた三郎の枕元に大師が立ち、「衛門三郎」と刻んだ石を左の手に握らせると、三郎は安心して息を引き取りました。
 その後、伊予の国・道後の領主河野息利に男の子が生まれましたが、左手を固く握り開きません。そこで、河野家の菩提寺安養寺に連れていき祈念すると手が開き、「衛門三郎」と刻んだ小石が出てきたといいます。石は寺に納められ、寺名を石手寺に改められました。
 「玉の石」と呼ばれるその石は、現在、石手寺の大講堂に納められ、一般にも公開されている。
四国霊場五十一番札所「石手寺」衛門三郎菩提寺「文珠院」文献参考
 
   なかなか教訓的です。

 

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