他人の話に共感的態度をとるのが苦手。つまり『傾聴』が苦手な担当者が自動的に、『傾聴』したことになる共感トーク例<共感編>
相手の話を最長20分間聞いている間に『傾聴』することが必要だということは理解しましたね。しかし、相手の話に疑問や違和感をもつような感受性が弱い。だから、それを解明するための『質問』をしない。
また、相手の話に疑問や違和感をもつことがあるけれど『質問』の言葉が出てこない。そんな担当者たちに前回は『質問』のトークを教えました。相手に『質問』をすることが、『傾聴』の1つだからです。
もう1つの『傾聴』の態度は、相手の言葉に共感的なトークを返すことです。
そこで、どんな共感トークを返したらいいのかわからない担当者や、そもそも、共感する感性が低い担当者が、自動的に言うと、共感したことになり、『傾聴』したことになるトークを以下に紹介します。
その前に、担当者の皆さんが、共感トークだと勘違いしている、使ってはいけないトークを使わないことを守ってください。それは『申し訳ございません』『すみません』『たしかに』『ありがとうございます』の4つの言葉です。この4つは、クレーム対応ではNGトークです。
さて、以下は、使えるトークです。
対話の中のお客様のクレームトーク | 担当者の『傾聴』トーク<共感編> | |
自分の事情や心情 | 動いてほしいのに動かないのです | ご不便な状態だと・・・ |
説明がわかりにくいです | もどかしいお気持ちだったと・・・ | |
従業員の態度が悪かったです | ご不快なお気持ちだと・・・ | |
どうしたらいいのかわかりません | 戸惑われていることと・・・ | |
忙しいので大変です | 落ち着かない状態の中だったと・・・ | |
みんなに迷惑をかけてしまいました | 心苦しいことだと・・・ | |
楽しみにしていたのに | ご期待がそこなわれたと・・・ | |
時間がかかりすぎです | お待たせしてしまったと・・・ | |
会社への思い | あなたの会社・製品が好きだったのに | 光栄なお言葉です・・・ |
こちらが悪い、私のせいだというのですか | つい、そう言いたくなるお気持ち・・・ | |
原因がわからないとはどういうことですか | 事実だけをお伝えすることが誠実な対応だと・・ | |
私はどうしたらいいのですか | あまりにも想定外だったと・・・ | |
会社に裏切られた・だまされた気持ちです | お恥ずかしいことで・・・ | |
もう買わないと思います/解約をしたいくらいです | 残念なことで・・・ |
『傾聴』の代表的な態度の1つは、相手の言葉に『共感』をすることです。お客様は会話の中で、担当者に左枠にあるような厳しい言葉や、泣き言を必ず言います。その言葉により、お客様の気持ちや、お客様の言いたいことを理解している態度を見せるために『共感』の言葉を言います。共感言葉の特徴は、相手の気持ちや相手の言葉を使った言葉を、同じ意味であり異なる言葉に言い換えることです。「申し訳ございません」や「ありがとうございます」を言うことは共感ではなく、『非』を認めることでなので、絶対にやめてください。