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製造業

第223号 今年一年の教科書をつくろう

柿内幸夫─社長のための現場改善

 新年明けましておめでとうございます。今年も毎年の恒例で高尾山に登り山頂にある薬王院にお参りしてきました。 (下の写真は、お参りの際に写したものです)

 厳しい時代というのは絶対にチャンスです。今年はこのタイミングを活用してモノづくりの新しい切り口を創造し、製造業が超元気になるような仕事をしたいと思っています。

 そこで、読者の皆さまも私も健康で元気でこのチャンスの時代に思う存分チャレンジできるようお祈りをしました。

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 さて、今回は今年の第一回目ですので、皆さんに今年一年勉強するための教科書づくりをご提案します。すなわち、モノづくりをする私たちは「何を、どう勉強するべきか」を考えてみるということです。

 前回の最後に、「やはり勉強と挑戦は必要です」と申し上げました。勉強というと、学校時代のことを思い出して「勉強は嫌いだからいやだな…」と考えてしまう人も多いと思います。しかし今年する「勉強」は、学校に行ってする勉強ではありません。

 学校はもちろん重要です。私が字の読み書きや計算ができるのは学校で習ったからです。これらは教科書もできているので学校で学ぶことができましたが、今の変化の時代に生き延び勝ち進む方法についての教科書はまだできていません。

 現在進行形ですから、どこにもないのです。教科書を作るのは私たちです(コンサルタントの私が作るという意味ではありません。改善で会社を強くして勝ち進む皆さんが自分たちで作るのです。そして私も手伝わしてほしいので「私たち」と書きました)。

 皆さんが作る教科書の内容ですが、こんな感じかなということを書いてみます。

 第一章は、社長が書いてください。今年がどういう年で、もし何もしないでいるとどうなってしまうから、こういうところをこう変えて会社をこんな形にしたいということを、社員全員が分かるように書きましょう。

 第二章は、全社で協力体制を取る必要がある大きい改善を書きます。例えばボトルネックとなっている設備をオーバーホールしてみるとか、機械のレイアウト順をこれまでの「行ったり来たり」の順番から工程順に並び換えるとか、全社員でKZ法を実行して全社的な問題点を共有化するといったことです。1つでいいですから、これまでやったことがないような大きな改善をやりましょう。

 第三章は、それぞれの部門の方全員が小さいことで構いませんから、毎月最低一件の改善を実施することを決めて、それをどうやって継続するかを書いてください。表彰の仕方や勉強会や発表会の持ち方なども書きましょう。

 そして第四章は、毎月書き足していく成果の章です。毎月末に編集会議を開いて、「今月はどうだった? 来月はどうしようか?」と話し合い、今月の反省をベースに来月の計画を作り書いてみんなに配るのです。

 ちなみにこの話し合いは、Check-Action-Plan-Do となっていて、この会議を継続することがP-D-C-A サイクルを回すことになっています。

 そしてちょうど一年経った今年の12月に、かなり書きたまった文章を改めて読み直してみるのです。

 全員が改めて今年一年が厳しかったけれどずいぶんと頑張ったんだなあ、ずいぶんとたくさんのことができるようになったなあと思うことでしょう。これが今年の勉強です。

 「ピンチはチャンス!」これまで貯めてきた力を発揮する年です。みんなで元気で頑張りましょう。今年もどうぞよろしくお願いします!!

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copyright yukichi

※柿内先生に質問のある方は、なんでも結構ですので下記にお寄せください。etsuko@jmca.net 

 

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