<社員の幸せを考えるブレない経営とは?~事例:チャールズ&キース>
~商品価値は“贅沢”と“お値打ち”と“驚き”~
「チャールズ&キース」は、チャールズ・ウォン、キース・ウォン両氏により、1996年にシンガポールで創設されたローカル企業で、同社はファッション性の高いシューズ、バッグ、アクセサリーをラグジュアリー(贅沢)な環境で、リーズナブルプライス(お値打ち)で提供するファストファッション(最新の流行を短いサイクルで世界的に大量生産・販売する売り方)ブランドとして成功しています。
なぜアジアの小国シンガポールが一号店でありながら、世界中の主要なショッピングエリアへの戦略的な出店を通して広い市場のシェアを捉え、現在アジア・ヨーロッパ・中東を中心に世界33か国360店舗以上で展開するまでに(日本でも2013年3月に初上陸を果たし、ファッションに敏感な25歳~35歳の女性をターゲットとして急成長)至ったか?
そこには贅沢感を醸し出す流行をしっかり抑えながらも、とにかくお値打ち価格で“ここだけ”の商品を提供し、「え、この価格?」(驚き)と思わせる地域密着のマーケティング(売れる仕組み)が存在したのです。
~3つ目の地域密着戦術で会社をカジ取りする!!~
同社の創業地シンガポールの女性が1年間に購入する靴の数は平均で16足(世界一)。同社は地域に密着することで地元の消費性向を深く分析し、他国でどうすれば靴の購入頻度をアップできるか?その法則を見出し、店舗陳列として売場で表現することで、どの地域のどの店舗でも何度も訪れたくなるカジュアルなファッションの提案を実現しました。
3つの地域密着戦術とは?
1つ目 地域のニーズ(需要)に応えること、
2つ目 地域に雇用を生み出すこと、
3つ目 地域のビジネス(地元発)を世の中に広めること
チャールズ&キースは、地域密着を上記3つで実践した結果、3つ目<地域のビジネス(地元発)を世の中に広めること>を経営理念の上でのビジョン(次項参照)に掲げ、なぜシンガポール人女性の靴の購入頻度がこんなに高いのか?を分析し、シンガポールで創業した(シンガポールの消費者を熟知している)企業しか、見出せないある法則を売れる仕組み(店舗陳列を武器にしたカジュアルなファッションの提案)にすることで地域密着の戦術化を通して、シンガポール発のビジネスを世界に通用するもの(フランチャイズ)に仕立てたのでした。
~ミッションを具現化する組織づくりとは?~
チャールズ&キースのミッションは、
「100%を目指す高品質な商品とサービスを提供すること」
そしてビジョンは、
「最も賞賛される流行に敏感な会社となること」 です。
これらの文言はミッション(理念)を実現するために以下のコアバリュー(ブランドが持つ中心的な価値)で具現化し、同社は世界に事業拡大できるフランチャイズの仕組みを構築したのです。
<チャールズ&キースの5つのコアバリュー>
1・調和
2・誠実、尊敬、オープン
3・完璧への情熱
4・お客様視点
5・奮い起こし、権限を委譲する
同社は会社の資産は信念をもった“人”であり、“人”が上記の5つの価値で情熱的なチームとなることで会社のベクトルがそろう!と考え、
人を育てることを軸にフランチャイズを仕組み化しました。
~海外事業を展開するための“人”を育てるフランチャイズの仕組みとは?~
チャールズ&キースは海外で事業展開するに当たり、本社のない海外の店舗でも働き甲斐を感じるように、最も重要な人を“店単位”で育てる仕組みをVMD部門に強い権限を与えることで組織として機能させました。
<VMD(視覚に訴える陳列)部門>
同社はVMD(視覚に訴える陳列)部門を自社の強いガイドラインに基づく重要なチームとし、独創的且つファッション感度の高さで、戦略的店舗陳列を通して全てのお店で統一したイメージを訴え、顧客を魅了することで、現場で働く人の満足度をアップさせたのでした。
“人”を育てることは、経営理念には不可欠です。
そして地域密着を会社が戦術化できれば、日本企業が経営理念に沿って経営判断をすることでチャールズ&キースのような海外展開も可能となりえるのです。
●チャールズ&キースHP