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第10回(初心者に親切にすることでマーケットを拡げる)「たんす屋」

「社長の繁盛トレンド通信」

◆たんす屋◆


初心者に親切にすることでマーケットを拡げる

 


 
「たんす屋」新宿店 風景
 
「たんす屋」お台場店 風景
 
「たんす屋」LAにあるセンチュリーシティ店

 

 

趣味でも仕事でも、初心者は、初期投資をできるだけ抑えようと考えるものだ。
たとえば運転免許とりたては、どうせ、こするので、中古車を購入する人が多い。
 3日坊主になりがちな人は、ゴルフでも、ギターでも、中古の道具でスタートするだろう。
会社設立時は、資金を節約するために中古オフィス家具で我慢するのが普通だ。  

着物の卸を手がける東京山喜では、着物も、そうした分野の一つだと考え、
4年前から、中古着物の販売店「たんす屋」の展開を始めた。
最初は、たった1店舗で月商が500万円だったが、
現在は、 直営店、FC、海外店を含めて73店舗、月商は約3億円に膨らんだ。
平均単価は9000円。顧客の中心は、狙い通り着物のビギナーだった。



着物市場のピークは、昭和50年代の2兆円。
その後、若者を中心に、猛烈な勢いで着物離れが進み、ついに5、6000億円市場にまで縮小した。
ところが、 同社が若者にアンケート調査を実施すると、着物が嫌いだと答えた人はほとんどいなかった。
好きなのに買わない理由は、「高いから」。
着物はもともと高価な上に、着物業界は、客数の減少を値上げによってカバーしてきた。
着物は、一層、高くなっていた。  

同社は、着物の潜在需要を掘り起こすために、中古市場の創設に動いたわけだ。
ビラを配り、たんす在庫をかき集め、それらを丸洗いして、抗菌、防臭加工を施した。
この手法は、ブックオフを参考にしたという。
店頭では、1回500円で着付けも指導する。
中古着物は、仕立てが必要な新品と違って、買ったその日に着 られることも好評だった。
昨年は、大晦日まで、初詣用に良く売れたという。
彼女達が着物に親しんだら、いずれは、新品が欲しくなるに違いない。  

時代の変化とともに、古い産業が衰退していくのは当然のように考えられていた。
が、もしかすると、その原因は、単に、ビギナーに不親切だっただけかもしれない。
復活のチャンスに、まだ気づいていない産業は、まだまだありそうだ。
「たんす屋」の伝統的な着物に群がっている女性達を見ていると、そう確信できる。
(カデナクリエイト/竹内三保子)

◆社長の繁盛トレンドデータ◆

『たんす屋』

店舗所在地の問い合わせは下記へ

TEL:0120-529-829

http://www.tokyoyamaki.co.jp/

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