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不動産

第11回 業界で注目される「 話題性の有る物件 」を創る事

売れる住宅を創る 100の視点

前回は、マンションの「 商品企画 」は外部の知恵を取り入れて「 マンネリ化 」を打破する事が重要と申し上げました。 

今回は、前回の提言である「 外部の知恵を取り入れて 」業界で注目される「 話題性の有る物件 」を創る事の大切さをお話致しましょう。 

現在、分譲中のマンションや建売戸建はどの物件も個性が無いので、中堅ディベロッパーはブランドのある大手ディベロッパーに負けています。 

そこで、大手ディベロッパーに負けない為には、分譲マンションや建売戸建等の「 商品企画 」時点で外部の専門家を参加させ、「 話題性の有る物件 」を創る事が重要です。具体的に申し上げれば「 広告宣伝会社 」のプロデューサー、コピーライターや「 マーケットリサーチ会社 」のアドバイザー の方々を、著名な設計者と一緒に「 商品企画会議 」に出てもらい「 ブレーンストーミング 」を行う事なのです。 

これらの人と何回か「 商品企画会議 」で「 ブレーンストーミング 」を行ないますと、思いも付かなかった良い「 コンセプト 」が幾つか出てきます。出てきた幾つかの「 コンセプト 」を一つ一つ丁寧に「 具現化 」させましょう…。

「 コンセプト 」は往々にして抽象的なのでビジュアルに「 具現化 」させて討議するのです。この「 具現化 」の作業を依頼するのは著名な設計者にお金を払って「 ラフスケッチ 」( おおまかな発想を視覚化した図 )を書いてもらうのが良いと思います。お金を払わずに設計者に書かせた場合は「 コンセプト 」とはチグハグな「 ラフスケッチ 」が出てくる可能性が大です。 

この様な、新規分譲マンションや建売住宅の「 商品企画 」には時間とお金をかけないと良いものはできません。以前、あるディベロッパーのマンション事業部長が「 タダで動くのは地震だけだ 」と言っていました。すなわち「 タダで作業をさせたら良いものはできない 」という事を揶揄して発言した言葉なのです。 

往々にしてディベロッパーは設計者に無料奉仕させる傾向が有ります。「 ボリュームチェック 」(購入予定地に実際どの位のボリュームの建物が建つかの検証図 )を無料で書かせるのが顕著な例です。レベルが低いディベロッパーほどその傾向が強いのです。「 ボリュームチェック 」もお金を払えば設計者も本気で取り組みますが、無料奉仕ですと適当に書いて提出しているのが現状です。私の経験では良いマンションを世に送り出している、一部の大手ディベロッパーは「 ボリュームチェック 」に対してお金を払ってくれます。

さて、話しを元に戻して「 コンセプト 」を「 具現化 」し、「 ラフスケッチ 」になったものの中から話題性が出そうなものをチョイスしましょう。選定基準は無しにして「 外観のデザイン 」「 共用部分の施設 」や「 住戸プラン 」等の「 ラフスケッチ 」が「 コンセプト 」に合っているかです。

 そして、先程も申し上げた様にこの「 コンセプト 」に合った「 ラフスケッチ 」は『 思いも付かなかった良い「 コンセプト 」 』の幾つかですので、その中には話題性が出せる商品が創れる要素を持っている可能性は大きいです。 

話題性を秘めた「 コンセプト 」に基づいた「 ラフスケッチ 」を選定し、更に「 商品企画会議 」で討議し、その原石を磨いてダイヤモンドにすれば業界で注目される「 話題性の有る物件 」に絶対になります。 

分譲マンションや建売戸建を購入する顧客は結構、インターネット等で不動産業界内で良い意味での「 話題物件 」に関しては敏感です。 

このコラムを読んで戴いているディベロッパーの方々、一度試してみては如何ですか…。

 以上

碓井民朗

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