2020年も、まもなく終わりを迎えようとしていますね。
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- 第107回「十牛図に学ぶ」(著:横田南嶺)
今年の流行語大賞が「3密」であったことに象徴されるように、
コロナに始まり、コロナに終わるような年といっても過言でない気がします。
例年になく1年が早く過ぎたような気も…
まだまだコロナ禍が続くと思われますが、
我々の人生も続きます。
この1年の締めくくりに、
そして、意義ある来年を迎えるために、
年末年始に、実りある読書を!
ということで、今回選んだ一冊は
『十牛図に学ぶ』(著:横田南嶺)
一『十牛図』といえば、言わずと知れた古典の名著。
本来は禅書として書かれたものですが、
経営者や武道家らにも人気が高く、
座右の書として挙げられることも、しばしばあるほど。
実は本書も、平成30年に経営リーダーを対象に5回にわたって行われた
『十牛図』に関する講義を書籍化したもの。
つまり、この一冊全てが、臨済宗円覚寺派管長・横田南嶺老師から
経営者、リーダーに向けての言葉である、ということ。
まさに、最優先で読むに値する一冊と言えます。
『十牛図』の内容は極めて簡潔明瞭。
十枚の絵とそれに対する漢文、漢詩のみ。
ごくごく簡単に言うなら、牛にたとえられた「本当の自分」を探す旅が
記されています。
しかし、シンプルであるがゆえに、深いところまで理解されないことも
多いのが、この名著の泣き所。
そこを横田老師が一つ一つじっくり丁寧に、紐解いていき、
真髄に達するべく後押ししてくれるのが、嬉しいところです。
今、本書を通じて『十牛図』に触れることの意味は、
計り知れないものです。
"真の自己を探す旅"を、仕事や自分自身に置き換えて考えてみる。
それぞれが置かれている現状をしっかり見つめ、会得し、
未来につなげる。
そして、迷いの中、苦しみの中にある部下たちを助け、
リードしていく。
「宝を持っていても、宝に気づかなければ意味はありません。
自分の内にある宝に気づかず、外に宝があると探し回っているのが
迷いの状態です」
などの老師の言葉から気づかされることも多々あるはず。
約900年前に生まれ、今に語り継がれる禅書から、
混迷の現代を生き、未来を生きる力をつかみましょう!
尚、本書を読む際に、おすすめの音楽は
『和楽器でクラシック』(演奏:AUN J クラシック・オーケストラ)
です。
誰でも聞いたことがあるクラシックの名曲を和楽器のみで演奏した意欲作!
一見すると無理な組み合わせのようにも思えますが、意外や意外、
実にしっくりくるのです。
古典の名著を伝統の和楽器の音色に合わせて、お楽しみいただければ幸いです。
では、また次回。