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製造業

第152 号 全員の力を総動員する

柿内幸夫─社長のための現場改善

 週末に車を運転したのですが、車が真っ白になっていました。雪ではありません、花粉です。早くも花粉の季節になっているようです。

 以前にも書きましたが、私の花粉症は筋金入りです。40年以上も前のこの時期、私はくしゃみをしてハナをたらしておりました。

 当時は花粉症という言葉が無かったので、私は自分がいつも風邪を引いているのだと思い、こんなに身体が弱くて立派な大人になれるのだろうかと心配をしていたものです。ありがたいことに身体は丈夫になりました。立派な大人にはまだなっておりません。

●鎌倉にある荏柄天神社にお参りに行ったら、針供養をしていました。珍しい供養ですね。

kaki152-1.jpg

 さて、今この厳しい時期に実行しなければいけないこととして、これまでに下記の4項目をご紹介しています。

 ・全体最適で考える

 ・全員の力を総動員する

 ・情報を共有化する

 ・心を積極的に明るく持ち続ける

 今回は、2番目の「全員の力を総動員する」についてお話ししたいと思います。

 「全員の力を総動員する」という表現は、響きが良いので、皆が簡単に納得してしまうのですが、いざ具体的に行動しようとすると、かなり難しいことなのではないでしょうか。

 会社は基本的に、役割分担されています。設計が図面を描き、営業が注文をとり、技術が工程を設計し、購買が仕入れ、製造が作り、品管がチェックして、物流が出荷します。

 そして、それぞれの部門が、それぞれの方法で頑張って、収益があがるようになっています。すなわち、すべての専門家が、自分の専門的な仕事をしっかりと実行すれば、結果的に、会社としての仕事が完結できるようになっているのです。

 これってすごいことですよね。しかし、このことを逆に言うと、会社には一人ですべてをできるという人がいないということです。

 もっと言うと、自分の仕事以外のことは、ほとんど知らない人ばかりの集団であるかもしれないのです。つまり、この状態のままでは「全員の力を総動員する」といっても、何もできない可能性が高いということではないでしょうか?

 最初からあまり大きなことを言ってしまうと前に進めないので、まずは小さい一歩を踏み出すべきでしょう。私は、「多能工化」をこれまで以上に進めることが、この第一歩になると考えます。

 次回はこの多能工化についてお話しますが、その前に、この社長の改善の第72話にもそのことが書いてありますので、読んでおいて頂きたいと思います。

kaki152-2.gif

 copyright yukichi

※柿内先生に質問のある方は、なんでも結構ですので下記にお寄せください。etsuko@jmca.net

 

 

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