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戦略・戦術

第11回 日本人の特性にあった継続経営チェックポイント

継続経営 百話百行

前回お話しした、「第10回 日本人の特性にあった継続する経営

日本人が老舗企業、長寿企業を作るには、3つのポイントは、

1) 変化をする
2) 判断基準がある
3) 「公」性を重んじる

お客様がいるのであれば、長く続くことをしていきたいものです。
長く続くことをしているかのチェックするためには、3つのチェックをすると良いようです。

1)QCDの進化をチェックする
2)行動指針をチェックする
3)公性をチェックする

まずは、
1) 変化するために、「QCDの進化をチェック」する
QCDとは、工場技術では、当たり前のように使われている生産技術用語ですが
Qは、quality、品質
Cは、cost、原価
Dは、Delivery、納期です。

つまり、この3つを進化すると、生産品質は上がっていくというものです。
「品質」は、上がり続けることが当然なのかもしれません。それを生産技術では当たり前のようにしていました。なぜならば、お店、会社が提供する品質レベルは変わらず一定だったとしても、お客様はいろんなことを経営され、要求レベルが上がっていきます。すると、ある時を境に、今までと僕らは、変わらず同じことをしているのに、なぜ、お客様は離れていくのだろう?と、変わらないことがマイナスになっていくことがあります。
例えば、我々が子供の頃当たり前だった、和式トイレは、今や、家庭では、ほぼ洋式トイレに変わり、ウォシュレットを使ったことがある人は、手放したくない人も多いのではないでしょうか?受け手側は、昔大丈夫だったものでも、新しく経験、体験したものが良いと思うと、 

keizoku2013111.png

 

もう後戻りはできません。うちは、今も昔も変わらず、和式トイレなのに、なぜ、お客様はわかってくれないのですと、言っても遅いのです。だから、提供側は、品質を上げ続けないといけない宿命だと思うのです。

そのため、品質を上げ続けなければなりません。COST(原価)も同じで、同じものを提供するならば、価格を下げる努力が必要だと思います。安くすることができるのならば、その利益を利用して、より付加価値をつけて、価格を維持することにもなります。だから、原価削減は意識し続けるべきなのです。そして、納期とは、時間を意識するということです。飲食業でしたら、1時間で提供してたのを40分で出来ないか?という努力です。40分で出来る人が、60分で提供するのと、60分でしか出来ない人が、60分で提供するのは余裕が違ってきます、この観点からも時間間隔は大事です。そのためには、下記の表を埋めながらチェックすると良いです。 

 

keizoku2013112.jpg

 

去年より良くなっているのは項目ごとに何か?
今、改善しないといけないと思っている、今気になっているのはなにか?
 ↓
それをどう改善するか?(これから良くしたい所)
毎年、毎年これを、意識して、変化していくことが大切に思います。

2) 判断基準を作るためにも、あれば、守るためにも「行動指針をチェック」する
老舗企業には、78%が家訓などにより、判断基準があります。だからこそ、会社に行動指針があるか?というのは大事だと思います。日々、迷うものですから、そのヒントになると良いです。

チェック
(1)「行動指針はありますか?」
(2)「現存する行動指針は守られていますか?」

昔いた、船井総研では、こんなものがありました。

(1)力相応一番主義
自分のレベルを知り、そして日常生活の中で、一番や一流を目指しましょう。自分のレベルを知って、より高いところに志を導き続けることを常に心がけましょう。

(2)勉強好き
・知らないことを知ることが好きなこと、新しいことに挑戦することが好きなことを勉強好きといいます。 ・一般に人間は年齢を重ねると、新しいことに億劫になると言われています。しかし人生の成功者は生涯新しいことにチャレンジし続ける人です。

(3)素直
・世の中には、自分の知識や経験からは信じられないようなことが数多くあります。これらを頭から否定せずに受け入れること、それが「素直」です。素直とは素の心で真っ直ぐに受け入れると書きます。 ・素直に生きると、世の中のことが客観的に見れます。と同時に一流の人に共通する「謙虚さ」が身についていきます。

(4)プラス発想
・自分の知らないことは否定せずに、知らないことも肯定します。情報は受け入れると集まりますが、否定すると離れていきます。 ・社会の中で仕事をしていると、自分の思い通りにいかないこと、嫌なこともあるでしょう。たとえ、そう感じたときでも、不平・不満を言わずに、善意の心を持ち、感謝の気持ちを伝えましょう

(5)過去オール善
失敗はよい、しかし絶対に同じ失敗はしないようにしましょう。船井流は、過去オール善です。ですから、失敗を 恐れずチャレンジしてください。しかし失敗したら、その失敗から学びましょう。同じ失敗を繰り返すと信用を失います。同じ失敗を繰り返さないために、論理的に理解し、身体で覚え、癖付けします。

(6)即時処理
・やらねばならない仕事は、今日のうちに必ず終わらせて帰るようにします。そして最終的には、その場で終わらせる即時処理癖を付けましょう。 ・「やめた方がいい」と思ったことは、今すぐにやめられる人になりましょう。自分を正しくコントロールし、自分の意思に素直に従い、すぐに行動できるようになりましょう。

(7)親身法
・相手が見えなくなるまでお見送りをします。お客様が来社されたとき、駅や空港まで送っていただいたときなど、必ずお客様が視界から消えるまで笑顔でお見送りをします。一流の人との付き合いは、良い癖付けからはじまります。 ・名刺交換した人、仕事をさせていただいている人、お世話になった人などには手紙を書きましょう。電子メールのような便利な時代にあっては、手書きの手紙(私信)が、最も人の心を打ちます。また手書きの手紙は人脈形成でも大切なことです。

(8)前始末と後始末
・自分の始末は自分で、最後は必ず綺麗にしておきます。仕事が終わって帰るときの机、宿泊したときの部屋、乗り物に乗ったときの座席のゴミ、コピー機を使った後など、後始末の癖付けを徹底します。 ・会議の際は5分前に集まり、最前列に座りましょう。 ・短時間で効率よく仕事ができるようになるためには、しっかりした前始末を行うことです。しっかりと前始末された仕事は、お客様からも、一緒に仕事をする人からも好感が持たれますので、常に心がけましょう。 ・心くばりができている人は、次に利用する人や次の工程に仕事をする人のことを考えます。例えば、共有物を使った後、本来あるべき場所に戻したり(定物定置)、締め切りを守ることで、次の仕事をする人が大変仕事がしやすくなります。

(9)現場主義
直観力をつけましょう。多くの現場を見て、瞬時に答えられる直観力を養いましょう。

(10)約束は守る
一度した約束は、約束厳守のため、全力を尽くしましょう。気軽に自分の都合で約束事を破ったり、変更すると、信用を失います。そのことを肝に銘じて、安易な約束は慎みましょう。

(11)儲け癖と節約癖
・いまの仕事でまず「儲け癖」をつけましょう。儲け癖がない段階でいまの仕事がうまくいかないからといって新しいことをやっても失敗する可能性は高いです。現状を見つめ、いまの仕事に感謝し、現状から儲け癖をつけることです。 ・経営者とサラリーマンの大きな違いに「節約癖」があるかどうかがあります。業績の良い会社の経営者ほど、節約癖のある会社の人に仕事を依頼します。 また船井総研では、重要な仕事は節約癖のある人に任せます。

(12)天職発想
目の前の与えられた仕事に夢中になって一所懸命にやりましょう。このことは、自分の使命を果たすことになります。たとえ嫌だと思う仕事であっても、断らず逃げずに、挑戦することで、お客さまから支持される能力が身についてきます。どんな仕事でも天職と思って、常にプロ意識を持ちましょう。プロ意識がつくと、プロとしての行動や癖づけができ、仕事が楽しくなります。

有名な電通には
1. 仕事は自ら創るべきで、与えられるべきでない。
2. 仕事とは、先手先手と働き掛けていくことで、受け身でやるものではない。
3. 大きな仕事と取り組め、小さな仕事はおのれを小さくする。
4. 難しい仕事を狙え、そしてこれを成し遂げるところに進歩がある。
5. 取り組んだら放すな、殺されても放すな、目的完遂までは……。
6. 周囲を引きずり回せ、引きずるのと引きずられるのとでは、永い間に天地のひらきができる。
7. 計画を持て、長期の計画を持っていれば、忍耐と工夫と、そして正しい努力と希望が生まれる。
8. 自信を持て、自信がないから君の仕事には、迫力も粘りも、そして厚味すらがない。
9. 頭は常に全回転、八方に気を配って、一分の隙もあってはならぬ、サービスとはそのようなものだ。
10. 摩擦を怖れるな、摩擦は進歩の母、積極の肥料だ、でないと君は卑屈未練になる。

このようなのを、まず作り、それを守れるか?もし、合わないのであれば変えることも重要です。船井総研も、私が居た時に変わりました。

3) 公性をチェックする
これは、もっとも大事なことかもしれません。そのチェックとして、最も簡単な方法は、常に、私自身、そして、クライアントにも、確認してもらっているのは

1. それは、誰のためにしていますか?
2. それは、何のためにしていますか?
これを、確認し続けます。

そのまとめた質問として
「誰のために何のために何をしますか?」
「今していることは、誰のために、何のためにしているですか?」を
従業員全員で、考える機会を持つというのをチェックすると、徐々に大切にしなければいけないことを大切にしていけるように思います。 

 

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