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戦略・戦術

第53回 『オーストラリア、シドニー・メルボルンで見たこれからの働き方』

継続経営 百話百行

先日、ある経営者の集まりに行ってきました。その時に驚いたのが、経営者の方々が、ビジネスの情報を取りに行ってないのに驚きました。
 
具体的には、新しいビジネスモデルや、新しいマーケティングの情報を知らない。
海外に行ったことがない、行っても20年、30年前。
 
これでは、確かに、日本がグローバル化から遅れるはずです。
 
商売を上手にするには、「情報を早く知る、深くやる」です。
 
それには、情報を取りに行かなければ、経営者の判断も遅れてしまうでしょう。
 
日本が内需だけで成長できた時代は良かったのですが
今は、人口が減り、少子高齢化になり、確実に日本だけのマーケットでは縮みます。
 
日本国内だけでビジにネスをしている人でも
海外からの観光客や、永住する人を視野に入れないといけなくなっているのはわかっていることだと思うのです。
 
だからこそ、新しい情報はしっかりと取りに行ってください。
 
 
その中で、今、日本の経営者が勉強にしにって欲しいのが、オーストラリアなのです。
 
オーストラリア、特にメルボルン、シドニーです。
 
なぜかというと、日本は働き方改革で、どうしても、労働時間短縮、そして、休みの増加、最低時給の上昇しています。
 
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オーストラリアは、世界でも、最低時給が最も高く、そして、労働時間が少なく、休みが多いので。それでも成り立たせるのはどうしたらよいかが、オーストラリアでは学べるのです。
 
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オーストラリアは
 
南半球最大の国で、大きさは日本の20倍(アラスカを除く米とほぼ同じ)
 
大きさです。
 
 
その広大な広さの中で
 
人口は意外に少なく
 
約2,460万人(2017年6月。出典:豪州統計局)
 
keizoku53no05.jpg
 
東京23区で約920万人
 
東京都で、約1300万人なので
 
東京都の倍弱、東京23区の2.5倍くらいの人口しかないのです。
 
 
景気も好調で
 
1991/92年度から25年連続して経済成長を実現。
 
2008年の世界金融危機、2011年のクイーンズランド州洪水被害の影響などから
マイナス成長を記録した四半期はあるものの、
 
資源ブームにも支えられ、年度ベースでは一貫して、プラス成長を維持し
景気後退を回避。
 
近年では、鉄鉱石など資源価格の大幅な下落による交易条件の低下が
続いているものの、堅調な住宅投資、輸出などに支えられている。
 
2017/18年度予算によれば、
2017/18年度のGDP成長率は2.75%となり、
2018/19年度には3.0%まで回復する見通し。
 
 
GDPは、
 
名目GDP
1兆2,616億米ドル(2016年、出典:IMF)
 
約138兆7700億円。
 
 
一人当たり名目GDP
51,737米ドル(2016年、出典:IMF)
 
日本より、1.3倍くらい高いのです。
 
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keizoku53no07.jpg  
 
しかし、
 
2018年の秋頃より
 
不動産価格の下落などがシドニーで始まり
 
景気後退局面を迎えているのでは無いかと言われています。
 
 
 
そんなオーストラリアですが
 
目を見張るのが、
 
 
みんな楽しそうなのです。
 
 
楽しく人生を過ごせるのには
 
どうすると良いのかが、今回の
 
シドニー、メルボルンでものすごくハッキリとわかりました。
 
 
 
それは、
 
2つの「ある」があると良いようです。
 
 
1つは、賃金の良さ、お金の安心感がある。
 
もう1つは、時間がある。
 
 
 
1つ目の賃金は
 
最低時給が、18ドルと高く
 
高校生のアルバイトでも、時給が、2300円
 
日曜日は3倍の、6900円もらえるのです。
 
 
8年目看護師の友達に聞くと
 
時給は、44ドル、つまり約4000円くらいです。
 
そして、
 
遅番などで、午後出勤になると、12.5%増し
 
土曜は、50パーセント増しなので、66ドルになります。
 
日曜は、75パーセント増し、つまり、77ドルです。
 
そして、祝日は、2.5倍、つまり、110ドルになり
 
時給が約1万円です。
 
 
そして、残業は、8時間が基本で
 
8時間を超えて、10時間までは、1.5倍
 
10時間を超えると、2倍。
 
 
ということは、祝日の、残業10時間超えると
 
時給、220ドルです。1時間約2万円。
 
 
びっくりーーーーーーー
 
 
それでも、
 
残業や、休日出勤はほとんどの人がやらないそうです。
 
 
 
平均賃金で見ても
 
オーストラリアは、52,063米ドル(約573万円)です。
 
日本は、39,113米ドル(約430万円)です。
 
1.3倍違うのです。
 
(OECD2016年平均賃金より)
 
 
働いている時間も違い
 
平均総労働時間は
 
オーストラリア1664時間
 
日本 1729時間
 
(2014年 OECD 一人当たり平均年間総実労働時間)
 
 
 
お金は、短時間でそこそこもらえ
 
そして、残業はしなくて良いほど
 
倍率が高くなります。
 
 
 
そしてもう一つの時間がある。です。
 
 
上記にも書きましたが
 
残業や休日出勤などが、とにかくないのです。
 
 
経営者の側から見ると
 
残業や休日出勤は、人を倍雇うのと同じくらいお金がかかるので
 
残業をしないで済むにはどうするかを考えます。
 
 
お金がそこそこあり
 
時間ができると
 
 
人は、ギスギスしないで余裕が生まれ
 
幸せになりやすいのかも知れません。
 
 
5時過ぎると、渋滞もすごいのですが
 
みんな、明るい内からビール飲んで笑っているんです。
 
 
これなら、
 
今日の疲れは、今日のうちに解消できます。
 
 
これをするのが
 
これからの
 
日本の経営者の役目かも知れません。
 
 
オーストラリアは、シドニーでも、オーストラリアで聞いても
 
とにかく、8時間労働が当たり前で
 
それを超えて、働くというのはありえないという発想でした。
 
 
いくら、お金になるのでも、選択しないそうです。
 
 
しかし、
 
この方向は、向かわないといけないが
 
日本と考えの違いは否めません。
 
 
オーストラリアは、労働は、楽しみと言うより、お金を稼ぐ手段です。
 
そして、
 
日本は
 
働くのは、良いこととされています。
 
 
その違いはありますが
 
 
これからは、
 
働きたくない人と、働きたい人で
 
ものすごい二極化になり
 
 
「働くのはお金のため」だけでは、結局、時間が短くなっても、労働は苦行になってしまいます。
 
 
そうではなく
 
「人生は何のためにあるか?」そして、それをまっとうするために
 
「何のために働くのか?」をしっかり考えることが
 
 
うわべだけの、遊び呆けると楽しいではなく
 
真の楽しさできあがるのでは無いかと思います。
 
 
 
結局は
 
何のために生まれて生きたのか?を突き詰められる人が
 
お金と時間をしっかり使える人のようです。
 
 
 
つまり
 
日本の経営者は
 
時間単価を上げ、働く時間を短くすることは必ずしないといけません。
 
 
さらに、
 
お金と、時間だけでは無く。
 
「何のために働くか?」
 
「人生何のためにあるのか?」
 
これが答えられ、伝えられる経営者だけが
 
良い会社として生き残るのです。
 
(物価は高い、お水 300円)
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(17時には、笑顔でビールを飲んでる)
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