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人間学・古典

第十話「精神一到」

中国哲学に学ぶ 不況は会社守成の好機


※本コラムは2000年代に井原隆一氏が書き下ろした「不況は会社守成の好機」全41話のコラムを再連載するものです。




“陽気発するところ、金石もまた透る。精神一到、何事か成らざらん”

 発生の気が働けば、金石でも貫くという、精神を集中させれば、どんな困難なことでも成し遂げられないことはない、という意味だが、この心は私の頭に焼き付いている。というのは、子供の頃、母から言われた一言である。

“隆一は酉年だが、この年生まれの人間は、われもこれもと手を出して、中途半端で終わってしまって、成功しない。これから十分注意しなさい。”

この文句が、私の頭に焼き付いているためか、いまだに一点主義に徹している。 たとえば、二十歳のとき始めた生涯学習計画にしても、十年一科目と定めて、法律、哲学、経済、経営を三十年学んだり、あるメーカーの再建に協力したときは、過大は借金返済に集中攻撃を加え、五年計画を三年半で完済してしまったなど集中、熱中の場であったと思う。

“一時に因らざれば、一智に長ぜず”と言葉が、従容録にある。一つの事柄に心を集中しなければ明快な精神、働きは期待できないという意味だが、ことわざに“一心は二用する能わず”とあるとおり一心を二用しようとするから成ることも成らなくなる。

私は会社再建に当たったとき“入るを計って出るを制す”とあるが、入るを計らなくともよいから、出ずるを制すべしと号令をかけた。

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