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人間学・古典

第二十一話 「学ばざれば牆(まがき)に面す」

中国哲学に学ぶ 不況は会社守成の好機

この言葉は書経にあるもので、学問をしなければ壁に向かっているようなもので、
向こう側のものは見えない。という意味である。

とかく若い頃の学問は、優秀な学校へ入学するため、有名企業に就職するためなど目先の
目的を達するためと考えている者も少なくない。

従って目的達成後は、活字を見ただけで頭が病んでくる。銀行時代、入行二年目の大卒者に
読書を奨めたところ、われわれの帰宅は夜の九時は過ぎ、読者などは到底と、いかにも
私の認識不足を指摘しているかの様子。そこで、では定年後、勉強しなさいと突っぱねておいた。


言志四録という本に、“朝食せざれば昼に飢え、少にして学ばざれば壮にして惑う、
餓うるは忍ぶべし、惑うはいかんともなし難しとある”
現代社会でもよく見かけることだが、
優秀は成績で学校を卒えながら社会人になっては影が薄くなったり、優秀な会社を不振に流しいれたり
すべて、学校時代の学問を過信して、その後の学問を怠ったからといえるだろう。


中国の昔、西漢の劉邦は楚の項羽を亡ぼして天下を得た。
陸賈(りくか)というものが帝王学の書といわれる“書経”を学ぶように奨めたところ劉邦は、
“自分は馬上で天下を得た”今さら帝王学でもあるまい。と断った。
これに対し陸賈は“たしかに陛下は馬上で王者となられましたが馬上で国家を治めることができますか”と
やり返したと本にある。


先年、ある老人会で長生きの秘訣を聞かれたので、自分の耳、口、目に一役果たしてもらうことだ。
人間は頭から墓場へ近づくといわれるからと答えておいた。

 


※一部旧字を現代漢字に変更させていただいております。

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