講話は経営や人生の智恵の宝の山。経営者や専門家が自らの体験を講話で伝える魅力と、より楽しむ聞き方を、音声と動画で学ぶ、実学・耳学・磨く「MIMIGAKU(ミミガク)」を提供する日本経営合理化協会オーディオ・ヴィジュアル局の企画担当者が毎回紹介していきます。
「人は、教育と勉学という研磨によって知識や知恵が身につき、自己のレベルを高めることができる。映像や音声はその知識や知恵の便利なパッケージである。科学技術は教育や勉学の手段を、いっそう多彩にし効果的にした。画面の相手の表情や動作から、時には声の調子や強弱から考えてもみなかった発想の啓示を受けることがある」。
これは弊会会長牟田學が音声・映像教材の提供を始めた1971年に、その価値について語った言葉です。
中堅・中小企業の経営者やリーダー向けにセミナーや書籍、視聴覚教材を通じて経営のお手伝いをしている日本経営合理化協会には過去の講演会の音源・映像アーカイブを多数保存しております。
※画像は日本経営合理化協会発刊 講演CD・講演DVD、スマホでのストリーミング再生画面
日本経営合理化協会がアーカイブしている古い記録音源にさかのぼると1968年に講話をされたホンダ創業者本田宗一郎氏、リコー三愛グループ創始者市村清氏。講演ライブラリーは4000講演タイトル以上。いま聞いても、本人の肉声を通じて、その当時のリアルな状況が伝わってきます。
聞く度に耳に残る言葉も変わるのが講演録の特長のひとつ。経営環境はもちろん、会社の課題やその時に抱えている悩みによって頭のどこかでいつも考えている問題意識が変わるため、耳に残る言葉も変わるのではないでしょうか。このように聞く度に新しい気づきがあるのがミミガクできる講演録です。
自部署の企画担当者は、毎年、多くの経営者や専門家の講話を聞いております。講演会で一度、聞くだけではなく、編集するため、その後も何度も繰り返し聞くため記憶に残る講話も多くなります。
私の場合は、ざっくり計算してみるとのべ3000講話以上を聞いています。そのため、よくお客様から「どの講話がいいか」と聞かれますが、正直に言うと質問の回答に困ってしまうのが実情です。なぜなら聞く人によって課題や悩みが異なるため、講話の価値も変わるからです。
その質問の回答になるかはわかりませんが、このオーディオ・ヴィジュアル局便りコラムのひとつのテーマとして、MIMIGAKU(ミミガク)する講話の魅力や講演録を活用した学び方をお伝えしていきたいと思います。特に若い方こそ、各界の方々の講話を幅広く聞くことで、まだ経験していない多くの生きた知恵と知識を身につけられると思います。
●講演録の魅力とは何か
「講演録の魅力と言ったら何か」と聞かれたら、前述の牟田の言葉の通りです。そして、牟田は次のように続けています。
「限られた時間で人間はそう多くの経験をすることができない。講話は本人の数十年の経験を数時間にまとめて話すため、自ずと大事だと思うところを選んで話している。つまり、数十年の経験をまるで自らが体験したように聞き学ぶことができる」
講話を聞き、目や耳から学ぶことで「講演者の経験を自らが体験したように聞けて、新しい事を知ることができる」ということです。
興味のある知りたいテーマを聞いて学ぶことはもちろんですが、それだけに限りません。業種の異なる方、自分と年齢が離れた方、真逆なタイプの方などの講話を聞けば聞くほど、自分が知らなかった世界を知ることができるということです。
もうひとつは、「自分の好きな時間や場所で、スキマ時間に聞くことができる」という事です。
例えば通勤中の車や電車の中で、出張先へ向かう新幹線などの移動時間、就寝前…。ちょっと空いた時間に手元のパソコンやスマホで再生することで、ミミガクすることができます。私の場合は通勤の電車の往復で、その時の気分で講話や音楽などを選んで聞くことが習慣になっています。今のようにネットに情報があふれている時代には、異なる形で生きた情報を収集するという事も大切だと思います。
次回号は講話の種類についてお伝えしていきたいと思います。ぜひ、講演録を生活に取り入れて新たな気づきを得る体感をしてみてはいかがでしょうか。(小澤)