近年、スマートフォン、E-mailなどのITの発展に伴い、場所・時間を問わず連絡が入ってくる環境になりました。便利になる反面、電話やメールへの対応などで自分が集中して、落ち着いて物事に取り組める時間が十分に確保できていない人も多くなっているのではないでしょうか。
これによって、危惧されることは「集中できなくなる」ことです。
以前のコラム
(第10回 脳を鍛える際に欠かせない2つの法則)でも述べましたが、脳は経験という栄養を糧にしています。着信に対応して振り回されてしまうことが多くなり、じっくりと集中する時間が短くなる習慣によって、気がつけば「集中できない脳」へと変わってしまいかねません。
現役メジャーリーガーの鈴木一朗選手、京セラの創業者・名誉会長の稲盛和夫氏、 読売ジャイアンツ終身名誉監督の長嶋茂雄氏、作詞家の阿久悠氏、アップル社設立者のスティーブ・ジョブズ氏、マイクロソフト社の創業者のビル・ゲイツ氏、など、各分野で功績を残している方々が共通して行っている事が「瞑想」だそうです。
個人ごとにやり方の違いがあると思います。しかし、一日の中で心を落ち着かせて、自分と向き合い、集中する時間を作っているということは「集中できる脳づくり」の観点からも非常に有効的なことだと言えるわけです。
近年、瞑想は、脳に効果的であることが様々な研究から分かってきています。
1つは、瞑想中には、集中力に関与する思考系脳番地を選択的に活性化させること。もう一つは、瞑想をしていない人よりも瞑想をしている人の方が、記憶を司る海馬の体積が大きくなったことです。
海馬は、ストレスによって萎縮してしまう脳の部位と言われており、ネガティブ思考や恐怖などのストレスは、海馬の敵です。PTSD(心的外傷後ストレス障害)やうつ病など、慢性のストレスでは、海馬が萎縮してしまうのです。
私たちの日常生活は、上手くいくことばかりではなく、少なからずストレスが付きまといます。特にリーダーとなれば、そのストレスは大きなものになります。
生活の中で、最大の脳のパフォーマンスを生み出すためには、マイナス思考をグルグル廻らせて海馬を萎縮させるよりも、肯定的な思考をする時間を作り、日々のストレスを上手く処理することも必要です。
そこで、トップに立つ人ができる今月の月刊脳番地トレーニングは、
1. 一日に一度、瞑想をする。
2.その日に自分で自分を褒めたいと思った事をノートや日記に書く。
是非、このテーマで、今月を過ごしてみましょう。経営者と社員の脳の健康のために!