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- 作間信司の経営無形庵(けいえいむぎょうあん)
- Vol.104 「命脈を、更に一回り太くする」
どの会社にも、今日の繁栄をもたらした「どこにも負けない強力な武器」が一つや二つ、必ずあるはずだ。
社長として、今一度、この武器が性能をアップし続けているか?ライバルが、もっと強力な武器を準備していないか?確かめておかなければならない。
大阪にあるY社は、大手メーカーの主力商品の基幹部品を、ここ10年つくってきたが、最近、少し様子が変わってきている。
決して楽には儲けさせてはくれないが担当者が少し甘くなってきていると、Y社長は感じている。ましてや、いまの大手は関連会社も多く少し製品寿命の長いものは子会社工場が担当している場合も多い。このY社の納め先も一次子会社である。
Y社長いわく「以前はモノづくりに詳しい担当者も多く、工程の組み方、改善、加工品質、冶工具の製作…我々も教わることばかりであったが、、最近モノづくりに関しては立場が逆転しつつある」と。
現在、Y社にはまだ、一から設計できる人材が育っていないが、5年後を見据えて設計部門の強化を、第二の武器と位置づけ手を打っている。時間はかかるが、武器を磨き続け、増やすことでしか会社の命を永らえることはできない。
徐々にではあるが、大手の一部では、担当者が現場離れをしている。ましてや、トップに財務や人事の出身者が座ると、このスピードが加速するようだ。
中小企業にとっては絶好の狙い目だが、反面教師にもしなければならない。本来の武器を、自社の外注先や販売代理店や仕入先に奪われてはいないだろうか?
世代交代の時には特に注意したい。絶対手放してはいけない武器は何と何だろうか?製造技術か、設計力か、商品企画か、販売ネットか、仕入先との人間関係か、それとも社長の政治力か、細かく細かく見て、はっきりさせておかなければならない。
次の経営陣、役員幹部には、口が酸っぱくなるほど伝えておかなければならない。そして、一つづつ確実に増やしていかなければ会社は強くも、大きくもならない。