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第32回 プログラミング教育

社長のメシの種 4.0

 日本では来年度(2020年度)から小学校でプログラミング教育が必修化され、再来年(2021年度)からは中学校(技術家庭)、2022年度からは高校でもプログラミングが必修となる。
 
 これは現在のITエンジニア不足を補うためのプログラマー養成ではなく、「プログラミング的思考の育成」や、「プログラムの働きやよさへの気付き等」が目的であると文部科学省は明確化している。
 
 プログラミング教育は、算数、理科、音楽、社会、家庭、総合的な学習の時間など、既存の教科中に行うA、B分類の他に各教科等とは別に実施するC分類があるが、C分類ではプログラミングの楽しさや面白さ、達成感などを味わえる題材などでプログラミングを体験する学習が行われる予定だ。
 
 ここでは簡単なプログラムを生徒が組んでロボットやアニメーションを動かしてみるなど、ゲーム感覚で実際にやってみることで、物事には手順があり、手順を踏むと、物事をうまく解決できるといった論理的に考えていく力を養っていくことが狙いだ。
 
■メイクブロック(Makeblock)
 このようなプログラミング教育用のロボットなどを提供しているメイクブロック社を、先日の深センツアーで視察してきた。
 
 メイクブロックは、2011年に西安・西北工業大学修士号を得た後に深センに来た王建軍CEO(1985年生まれ)が2013年に創業した教育用ロボットなどのSTEAM教育ソリューションを提供する会社で、同社のサービス・製品は、140カ国で450万人が利用している。
 
 2017年に日本支社を設立、ソフトバンクと業務提携をしており、「mBot」という同社のプログラミング教育用小型ロボットは日本語教則本も多数販売されている。
 
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 STEAM教育とは、現実の問題を解決に導く力や今までにないものを創造する力を育むため、Science(科学)、 Technology(技術)、 Engineering(工学・ものづくり)、Mathematics(数学)を統合的に学習する教育で、元々はアメリカが科学技術分野での競争力を高めるために推進してきた教育方針だが、文部科学省が2018年6月に公開したこれからの日本の学校現場における教育方針についての「Society5.0に向けた人材育成 ~社会が変わる、学びが変わる~」報告書の資料にも記載されている。
 
 メイクブロックの製品はSTEAM教育に利用するために作られており、モジュール化された部品を自分で組み立て、いろいろな形や機能を持ったロボットやドローンを作り、それをスクラッチ(Scratch)という命令の部品を組み合わせて、プログラミングをする言語を使ってすぐに動かして見られるものが多い。
 
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 STEM教育市場は、中国では2020年に150億ドルまで成長するという予測があるが、日本でも今後大きく発展する市場であり、34歳の王建軍CEO率いる深センベンチャー企業・メイクブロックの今後の展開には注目する必要がありそうだ。
 
 
 
======== DATA =========
 
●小学校プログラミング教育の手引(文部科学省)
 
●メイクブロック(Makeblock)

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