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社員教育・営業

第132回 コミュニケーション上手になる仕事の進め方53「社内のスキルの共有化」

デキル社員に育てる! 社員教育の決め手

「仕事のすすめ方」
◆仕事を円滑にすすめる「コミュニケーションのスキル」◆
 

 前回、「仕事の教え方の順序と伝え方」についてお話しました。今回は「社内のスキルの共有化」についてお話します。

 「社内のスキルの共有化」は、社外もしくはお客様と、社内の二方向で考えられます。前者の目標は一言で言うと、組織のレベルアップです。努力をして維持ですから、「アップ」をするためにはさらなる向上心が求められます。
 例えば、お客様があなたの会社に電話をかけてきました。お客様が今仕事を進めている担当者を指名したとき、その担当者が外出していたとします。誰が電話を取ったとしても、お客様は電話をしてきた用件の内容を速やかに指名者に伝えてほしいと思うでしょう。対応スキルの共有化が出来ていると、例え指名者と話ができなくてもお客様に安心や信頼を損なうリスクは低くなります。電話の受け手が新人であっても、社歴が5年以上であっても同じ対応ができる「社内のスキルの共有化」を整えておく理由です。
 
➀指名者の帰社時間を把握し、速やかに答える(同じ課の人の一日の予定表が共有されている。さらに当日帰社するのかしないのか、
休みか、出張か、入院かなど状況によってどう対応するかを決めておく)

➁お客様と電話の受け手が面識あるかないかに関わらず、社名を聞いただけでどのような取引をしているかすぐに分かる案件一覧表のような情報を見ることができるように準備しておく。いわゆる「見える化」です。お客様が、「またかけます」ということであれば、念のためお客様の電話番号をきいておき、伝言をということであれば内容の復唱確認はマストです。いずれにしても指名者が在籍していない電話を受けたときのクロージングには、この電話で用件が終わったわけではないのですから、「せっかくお電話をいただきましたのに○○(指名者)に代わることが出来ず申し訳ございませんでした」のようなお声かけを入れると、受話器を置くときのお客様の鼓膜に会社の姿勢が言葉として届きます。これはスキルのレベルです。

 後者の目標は、社内の無駄の削減や効率化です。何となく恒例化していることを一度疑って客観的に見直すとよいでしょう。思わぬところに無駄があることに気づいたりします。見直すときのポイントとして、人が変わっても同じ対応ができる内容にすることです。さらに、個人で抱えている情報も含めてしっかり共有化すると、誰に代わっても、変わらない結果に持っていけるので、組織としての品質維持が確保できます。   
また、個人ということでは、個人がそれぞれどんな分野に強いかなどのスキルも一覧にしておくと、新しくプロジェクトを立ちあげたりするときなど、すぐに戦力になる人を探せます。〇〇課在籍だから〇〇のことに詳しいということだけではなく、他の分野にも明るいということは十分あり得ます。
 
 次に効率化については、業務のスムーズな流れを念頭に置いて進めてください。
会社の規模が大きいほど、部署ごとのくくりがしっかりあるようです。重複していることがゼロとは限りません。風通しのよい状況を作る必要があります。
 社内のスキルの共有化は、新人社員教育にも使えるので、より具体的な内容に仕上げることを意識しましょう。教える側の労力削減に繋がります。社歴のある人のフィードバックにも役立ちます。その意味でもスキルの共有化のレベルの維持をする努力を怠らないようにしてください。 

ただ、どんなに素晴らしい「スキルの共有化」が仕組みとしてあっても、それを活用する側の人間関係の良さが大変重要です。「社内のスキルの共有化」が絵に描いた餅にならないよう、働く仲間を大切に、お客様を大切に業務に励んで下さい。そしてこの気持ちが当たり前と思えたとき、企業文化が根付いたと言えるでしょう。
 
 
■松尾友子氏
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