「仕事のすすめ方」
◆仕事を円滑にすすめる「コミュニケーションのスキル」◆
前回は、「通信教育の効果的な活用法」についてお話しました。今回は「オンラインでの打ち合わせのポイント」についてお話します。
ポイントは、対面の打ち合わせと基本的に同じです。ただ、五感も使ってコミュニケーションが図れる「同じ空間」での打ち合わせではなく、「機械を通して」という条件のため対面と同等の結果にはなりません。つまり誰もが多かれ少なかれ、思ったより伝わりにくいと感じるのです。オンラインの打ち合わせに気をつける7つのポイントを挙げます。
1.笑顔。状況によってはマスクをして話すことがあるかも知れません。必ず「目」で笑ってください。頬の筋肉を目の方向に縦に動かすと、ニコニコマークの目の形になりやすいです。
2.話し方。電話応対でも言えることですが、機械を通すことで抑揚の一部が吸収されてしまいます。そのため自分では10くらいの数値の抑揚で話したと思っても、相手に伝わるのは6くらいの数値です。それを加味して、いつもより抑揚に気を付けて話しましょう。また、話し方の癖を知る必要もあります。緊張していると、句読点に関係なくブツブツ切って話してしまいがちです。これは意味の一まとまりを崩してしまうので、聞く側には内容がわかりにくくなります。さらに、接続詞を使って長めにセンテンスを話すと、言いたいポイントを2つ以上入れてしまいます。ワンセンテンスは短く、かつ伝えたいことは一つがいいです。最後に、センテンスは語尾までしっかり話します。日本語の語順は、語尾に「ます」・「ません」がきます。「ます」なのか「ません」なのかでセンテンスの意味が180度違ってしまいます。語尾は最後まではっきり話します。
3.複数の人との打ち合わせ。発言するサインとして挙手をし自分の発言が終わったら「以上です」と言うと、すみやかな会話のキャッチボールが進みます。
4.発言しないとき。マイクがミュートになっているか確認をする。自分が発言した直後などは、ミュートにすることをうっかり忘れる場合があるので注意しましょう。。
5.相手が発言をしている内容に頷くとき。対面のときより意識して頷き方を大きく深くすると、発言内容の同意を相手に伝え易いです。対面のときの頷き方では足りません。
6.話すときの視線の位置。複数の相手が画面に映っているとき、つい画面の中の発言者に視線を向けてしまいがちですが、それでは目線を落とした自分の顔が相手の画面に映ってしまいます。目線はパソコンのカメラの位置あたりと思ってください。
7.オンラインということは、当たり前ですが動画です。自分が映るという意識が強いと緊張も手伝って静止してしまいます。対面の打ち合わせのとき身体が固まっていますか。そんなことはないはずです。その意味から、オンラインでも動きのある自分を意識しましょう。お見合い状態のような時間を共有する画面では、良い考えも生まれません。お互いが自然に自分を発信できる雰囲気で臨むことが大切です。
以上のことを踏まえた上で、『相手に関心を持つ』というコミュニケーションの大前提=芯を持っているか否かが、オンラインの打ち合わせの出来具合を決めると考えます。終了後の感謝の言葉は、もちろん必要です。
かつて集合研修で発言を求めてマイクを向けても、参加者の大多数は傾向として消極的な時代がありました。ところが、カラオケが流行した時期と重なるようにマイクを持つことに慣れたのか、参加者が積極的に差し出したマイクを受け取って発言するようになりました。そのような時期を拝見してきているので、オンラインについても今は過渡期と思います。経験を積むことでオンラインのシステムに順応し、画面の前でありのままの自分を自由に表現できるようになるでしょう。私は、コロナ後もオンラインは残っていくシステムと捉えています。是非相手に好印象を与えるコミュニケーションスキルの一つになさって下さい。