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社員教育・営業

第164回 コミュニケーション上手になる仕事の進め方86「笑顔を大事に、接遇を再チェック」

デキル社員に育てる! 社員教育の決め手


 前回、「当たり前が誰でもできる組織を作る」についてお話しました。今回は「笑顔を大事に、接遇を再チェック」についてお話します。

 この約三年、確実に地上から極端に目減りしてしまったのは「笑顔」のような気がします。うっかりすると、「そういえば今日は、一日笑顔になる機会がなかった」などと夜になってから驚く日はありませんか?私はそんな時は寝る前に、ユーチューブで可愛い動物の動画を見て表情筋を緩めてから休みます。岸田首相が、マスクを外すのは五月の連休明けを一つの目途と計画しているというニュースが聞こえてきています。

まず私たちは笑顔をもう一度コロナ前のレベルにしなければなりません。皆様はアメリカの心理学者ウィリアム・ジェームズの「楽しいから笑うのではなく、笑うから楽しいのだ」と言う言葉をご存じですか?この言葉を心理学者の中村真さんが6年生の国語の教科書の中で教材文として載せています。

  この言葉は、私たちの背中を押してくれます。自分を心からそのように仕向けてください。すると、あなたを中心にして笑顔が波紋のように空間の360度の方向に広がります!笑顔は何にもまして公私にわたって大切なコミュニケーションスキルです。朝仕事に出かけるとき、お財布・ケータイ・鍵などと共に忘れてはならないものとして、必ず携帯して出かけましょう。

 笑顔だけに限らず、4月に皆様は新人さんの入社により先輩になります。後輩の指導をなさる立場になる前のこの時期は、接遇の総チェックをする良いタイミングです。それぞれのエッセンスを記します。

【身だしなみ】
   仕事に慣れてくると、自分流のおしゃれを取り入れたくなるようですが、皆様は組織の一員として求められる装いをなさるのが業務の一つです。それを個人のレベルに下げてはいけません。特に最近の髪型については、女性の前髪がどんどん長くなってきているように感じます。眉毛を隠すほど長い方もよく見かけます。コミュニケーションは細い隙間からの目だけでは出来ませんから、是非前髪の長さには気をつけてください。それから男性の場合は、時々頭の後ろ部分に寝ぐせの髪が揺れているのを見かけます。仕上げに鏡でチェックする習慣を付けましょう。

【挨拶】
   前述の身だしなみは、言葉を変えると相手を中心に考えた装いです。自然な笑顔と清潔感のある身だしなみは、共に相手の視覚に訴える印象です。この二点の印象の良い方にさらに望むのは、聴覚に訴える挨拶です。一般的には、明るく爽やかな声を出そうと意識なさってください。

  「明るい」は笑顔と大いに関係があります。笑顔で声を出すと口角が自然に上がって生まれつきの声より音程でいうと半音ぐらい高い声で話すことが出来ます。

  「爽やか」は、素直・謙虚・感謝・受容などの心持ちと繋がっていると言ってもよいでしょう。それらを意識したうえで、発声練習「ア・エ・イ・ウ・エ・オ・ア・オ」の口の開閉をしっかりします。その音声表現がスキルにまで上げられたら、「挨拶は①明るく②先に③工夫して」を実践なさってください。②の「先に」ついては、自分から先に相手に声をかけます。挨拶をされた相手は嬉しいですね。③の「工夫して」は、自分から一言のプラスアルファーを添えます。例えば、おはようございますに続けて「いいお天気ですね」や「昨日はご指導ありがとうございました」などです。

【言葉遣い】
  「言葉遣いは社格を上げる」と言われるように会社の格を問われます。特に「私」と自分の会社の「上司・先輩」、そして「社外の人」の三人が登場する場面で、言葉遣いの実力が出てしまいます。日常業務の中で敬語を使う対象の自分の会社の「上司・先輩」であっても、社外の人に話すときは謙譲語を使います。例えば電話で離席中の○○課長を名指しされたとき、「○○課長は、只今席にいらっしゃいません」ではなく、「課長の○○は、只今席を外しております」が正解です。特に新人さんにとってこの切り替えは慣れないうちは感情的にも言いにくいようです。ちなみに上司の奥様から緊急の電話が入った場合、奥様は社外の人ではありますが上司のご家族という意味から尊敬語を使います。

 以上、総チェックのメインのエッセンスを箇条書きにしましたが、ある意味どれも当たり前のことです。でもこの当たり前に見えることが、実は大変重要であると気づけることが、良い仕事の出来る人の秘訣でもあります。

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