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製造業

第2回「ムダどりから始めよう」

なぜ、トヨタ式で会社が伸びるのか?


 私たちが「仕事」と思ってやっていることの中にはたくさんの「ムダ」や「付随作業」があると自覚することが「ムダどり」のスタートになります。参考までに生産現場と間接部門のムダを挙げてみます。

○生産現場の7つのムダ
➀不良・手直しのムダ、➁つくりすぎのムダ、➂加工そのもののムダ、④運搬のムダ、➄在庫のムダ、➅動作のムダ、➆手待ちのムダ

○間接部門の7つのムダ
➀根回しのムダ、➁多すぎる会議、長すぎる会議のムダ、➂資料や捺印のムダ、④調整のムダ、➄上司のプライドのムダ、➅マンネリのムダ、⑧ごっこのムダ

 いかがでしょうか?
 「うちの会社にはムダなんかないよ」と思い込んでいる企業でも、よくよく見ればどこかにムダは隠れているものです。こうしたムダな仕事が増えれば増えるほど、仕事のスピードは落ち、原価も高くなり、競争力も低下するだけに、「このくらいのムダは」とか、「ムダも仕事のうち」などと言わず、すぐに身の回りの「ムダどり」から始めてみてはいかがでしょうか。

 とはいえ、「ムダどり」を進めるにあたって、「付随作業」を改善するのはちょっとしたコツが必要になります。ポイントの一つは「ムダ、ムラ、ムリ」ではなく、「ムラ、ムリ、ムダ」の順番で考えることです。
 たとえば、時期的に、あるいは季節的に仕事量の大きなムラがあると、山に合わせて人や設備を用意することになりますが、谷の時にはそれがムダにつながります。つまり、「ムラがあるからムリをしてムダが出る」わけですが、このように「ムダ」にはそのムダにつながる「真因」があります。その真因を潰す改善をしてこそ「付随作業」は減り、「ムダ」もなくすことができます。

 「ムダどり」を効率的に進めるためには、まずは「ムダとは何か」をみんなで意思統一をしたうえで、小さなムダどり型改善を進めていくことです。当然、なかには簡単には潰せないムダもありますが、その時には「なぜを5回繰り返して、真因を見つけて、真因を潰す」といった手法も必要になります。こうした手法を根気よく繰り返すことがムダのない、スピーディーで効率の良い仕事を可能にしてくれるのです。

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