menu

経営者のための最新情報

実務家・専門家
”声””文字”のコラムを毎週更新!

文字の大きさ

マネジメント

第8回 「どうしたらエゴを捨て、利他的になれるのか?」

酒井英之の社長のビジョン実現道場

■利他(りた)の精神

職業柄、多くの会社の経営方針発表会に招かれます。

昨今はリアルでの開催が復活し、同じ場所、同じ時間に一堂に会し、同じ空気を共有することの価値を改めて感じます。

 

そこで、必ずと言っていいほど経営理念が唱和されます。

どの会社も文言は異なれども、言っていることは同じです。

「利他(りた)の精神で社会に貢献する」です。

 

利他の精神とは、「自分のことよりも他人のため、世の中のために」という意味の仏教用語です。

 

それを聴いた30代半ばの二世経営者から次のような質問をいただきました。

「私はいつも自分のことばかり考えてしまいます。どうしたら利他になれるのでしょうか?」

 

これに対し私は次のように応えました。

「大丈夫。50歳を過ぎれば自ずと利他になれるから」

 

実際若くても利他の生き方を徹底できている人もいますから私の回答は絶対的な正解ではありません。

 

が、自分自身や同世代の友人たちを見る限り50歳を超えてからごく自然に「利他」の生き方ができる人が増えているように思います。

 

先日、ベストセラー『京都祇園もも吉庵のあまから帖』の著者である志賀内泰弘先生を囲む会があり参加してきました。

そこには、50歳越えの経営者や教育者の方が多数いました。

彼らは自己紹介タイムでは、次のような挨拶しました。

100年続く老舗旅館の女将は

「外国人のお客様に、接客ひとつでこの国のイメージが悪くなったら申し訳ない。『また来てみたい』と言われることを目指しています」

 

特別支援学級の先生は…

「もっともっと勉強しないと子供たちに申し訳ない」

 

運送会社の経営者は…

「自分の周囲には旅立たれる人がいる。自分が生かされている意味は何か?を考え行動したい」

 

これらを聴きながら、皆さん、

「自分は社会を少しだけ暮らしやすくするための『道具』だ。この道具を活かしたい」

と言っているのだと感じました。

 

しかし、そのように当たり前に考えられるようになるのは簡単ではありません。

次のページ

1

2

第7回 小さな強みに磨きをかけて大化けさせるには前のページ

第9回 社員に指摘されて気づいたビジョンレス経営の罪次のページ

JMCAおすすめ商品・サービスopen_in_new

関連セミナー・商品

  1. チームV字経営

    チームV字経営

関連記事

  1. 第9回 社員に指摘されて気づいたビジョンレス経営の罪

  2. 第4回 「ドラッカーの5つの質問」に潜む罠に気を付けよう

  3. 第10回 『下町ロケット』のモデル企業に学ぶ、新規ビジネスの見つけ方

最新の経営コラム

  1. 相談7:含み損のある土地があるのですが、別会社で買うのがいいか、個人で買うのがいいか、どちらでしょうか?

  2. 第9回 注意しても部下が変わらないのはなぜか? ~原因は人ではなく仕組みにある~

  3. 第146回 地味ながら世のクラウド化の追い風を受けて高成長を遂げる サイバーリンクス

ランキング

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10

新着情報メール

日本経営合理化協会では経営コラムや教材の最新情報をいち早くお届けするメールマガジンを発信しております。ご希望の方は下記よりご登録下さい。

emailメールマガジン登録する

新着情報

  1. 人間学・古典

    第59講 「帝王学その9」 古より上書は、おおむね激切多し。 激切は訕謗に似たり...
  2. マネジメント

    危機への対処術(28) 危機の時代の勇気ある議会人(斎藤隆夫 上)
  3. 人間学・古典

    第80講 「帝王学その30」 一言 善からざれば 人これを記し その恥塁を成す。...
  4. マネジメント

    「取引コスト理論」で読み解く市場と組織の本質――会社はなぜ生まれたのか?
  5. マネジメント

    危機への対処術(6) チャーチルに学ぶ(ゼレンスキー・ウクライナ大統領)
keyboard_arrow_up