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人事・労務

第61話 「2013社長・重役報酬の実態調査レポート」にみる今年の動向

「賃金の誤解」

賃金管理研究所 副所長 大槻幸雄

 賃金管理研究所では毎年、役員報酬の実態調査アンケートの調査結果を、5月のGW明けに公表しています。本年も最新レポート「社長・重役の報酬・賞与・年収額の実態 ――2013年(第29回)実態調査」を5月12日に発表いたしました。
 今回の調査対象となる役員報酬が決められた1年前の経営環境は、アベノミクスと円安効果によって、ようやくデフレ脱却に向けて景気回復の動きが見え始めたものの、消費増税後の反動や欧州・アジア経済の減速など先行きの不透明感も懸念される状況にありました。
 このような環境下で、引き続き役員報酬改定には慎重な姿勢の会社が多かったようです。社長報酬を据え置いた会社は全体の64.7%に達しましたが、社長報酬を引き上げた会社も5社に1社(22.2%)を超え、業績好転を前向きに捉える会社は着実に増えてきています。
 役員報酬の代表的な指標である社長では報酬月額235.1万円、賞与支給額919.7万円、年収額3167.1万円でした。ただし、上場企業と非上場企業の格差は大きく、年収額3167.1万円の内訳を見ると上場企業4937.1万円、非上場企業2315.5万円と2倍以上の差がついています。
 
yatomi61_01.jpg 実態調査では役位別に集計していますが、役位の置き方、職務範囲や職責レベルは会社ごとに大きく異なっています。同じ規模の会社でも、A社の専務とB社の常務を比べた場合、B社の常務の方が遥かに責任範囲も広く、報酬額も高額ということは起こり得ます。また、社長の奥様や実弟が役員となっている場合、職務内容はほぼ同じであっても、会社によって副社長、専務、常務、担当取締役など様々な役位が割り当てられているのが現状です。
 役員の職務範囲や職責が曖昧なままでは、役員報酬を合理的に決定することはできません。正々堂々と職責と業績貢献度に応じた相応しい水準の報酬を得るには、まず役位ごとの職責を明確にし、決定基準をルール化していくことが重要なのです。

(担当責任者 賃金管理研究所 副所長 大槻幸雄)
 
 
 「社長・重役の報酬・賞与・年収額の実態調査レポート」(全18ページ:頒布価格2,160円)は次年度の役員報酬改定の参考資料として多くの企業が活用されています。詳しくは賃金管理研究所のホームページをご確認ください。
 

 

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