我4月は新入社員が入ってきて、職場がフレッシュに華やぐ時期。
経営者やリーダーは、そんな彼らを育てる意欲に
燃える時期でもありますよね。
そこで、ぜひオススメしたいのが、
『参謀論: プロ野球最強コーチの「組織と人を動かす」言葉』(著:橋上秀樹)
著者の橋上秀樹氏は、プロ野球界で、
17年間もの輝かしいキャリアを持つ名指導者。
楽天では、名将・野村克也監督の下で球団史上初のクライマックスシリーズ出場、
巨人では、原辰徳監督の下でリーグ3連覇と一度の日本一、
西武では、辻初彦監督の下で、昨シーズン、10年ぶりのリーグ優勝に貢献。
現在は、ヤクルトスワローズにて、2軍チーフコーチを務めている、
まさに、プロ中のプロの指導者です。
そんな橋上氏が、
「現在までの経験で得た指導者としてのスキルをすべて語りたい」
というのが、本書。
その言葉に偽りなく、この上なくリーダー必読の一冊となっています!
たとえば、
・「昔はこれが当たり前だった」と言いたい気持ちをかなぐり捨てて、
「今までとは違う自分像」を作りあげる
・「どうしてわからないんだ」ではなく、
「どこがわからないのか」を一緒に考える
・自分の成功体験と方法論だけで教えているようでは、
これからの時代、指導者として生き残っていけない
・当たり前の言葉しか出てこない指導者は、
はっきり言って必要ない。
大切なのは、自分の経験以外のことを、
きちんと言葉で語ることができるかだ
・「指導論」と呼ばれるものはいくつもあるが、
「これなら絶対にうまくいく」と
言い切ってしまうのは、指導者の独りよがりだ
・自分が受けてきた指導の呪縛からは逃れられない
・失敗がわかっている者に、
指導者が追い打ちをかけるように叱れば、
さらにマイナス思考になってしまう
・「信念を曲げない」ことと、「頑固である」ことは違う
など、例を挙げれば、キリがありません。
また、
・指導者自身に「教える」ことに対する向上心がないと、
どこかの段階で指導者としての能力は止まってしまうのだ
との言葉が、非常に心に残っています。
というのも、厳しいことを申し上げるようで恐縮ですが、
経営者やリーダーの方たちとお話させていただくと、
ご自信が「部下を育てる立場、役割」との認識はあるものの、
「部下を育てるプロ」とまでは思っていない、と感じることが、
ままあるからです。
もしご自身がビジネスマンである以上に、
「プロの指導者である」という自覚を持つことができるならば、
部下や組織に対して、今までと言動が変わってくるのではないでしょうか。
そして、それは結果にも反映されるはず!
新しい方はもちろん、古い頭の指導者をも唸らせてくれる、この一冊。
大いにお役立ていただければ幸いです。
尚、本書を読む際に、おすすめの音楽は
『エヴァンス・イン・イングランド』(演奏:ビル・エヴァンス他)
ロンドンにある名クラブ"ロニー・スコッツ"での
エヴァンスの未発表ライブ音源が、ついに登場!
エディ・ゴメス、マーティ・モレルによる第二期トリオでの熱き名演、
合せてお楽しみいただければ幸いです。
では、また次回。