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マネジメント

第100回 『出世と成功』

社長の右腕をつくる 人と組織を動かす

アメリカンドリームといった言葉がもてはやされることからもわかるように、
概してアメリカ人は、伝記、それもサクセスストーリーを好んで読む傾向にある。

アメリカの書店では、「偉人コーナー」を設けているところも多く、
せいぜい小・中学生まで向けに、それも限られた範囲の偉人についての伝記を、
申し訳程度に並べている日本の書店とは大きく異なる。

伝記における日米考察はこの程度にして、
それらでは、「人生における成功者」という表現がよく使われるが、
いったい、どのような状態をして「成功」と称するのかを、考えてみたい。


『成功とは、自分にとって意義のある目標を事前に設定して、段階を追って達成すること』
これは私の成功定義だが、ここにはいくつかの需要なキーワードが含まれている。

まず、最初のキーワードは、「自分にとって」ということだ。
成功したか否か、それは自分自身が判断することで、第三者が決めることではない。
自分が「成功した」と思えればそれでいいわけで、これが最大のポイントである。

「事前に」もキーワードとなる。
前もって立てた目標が達成されてこそ成功といえるのであって、
結果がよかったからそれを成功だと思おうとしても、思えるものではない。
後追いでは、成功といえないのだ。

「段階を追って」というのは、スタップ・バイ・ステップ、
ひとつひとつ片付けるという意味で、このことも重要なポイントであると私は考えている。
たとえば、ゼロから一気に100までステップアップしたとする。
一見、成功に思われるが、これでは達成に対する喜びや満足感は得られないはずだ。


『生理的欲求→安全の欲求→帰属の欲求→認知と尊厳の欲求→自己実現の欲求』
心理学者・マズローはこのように、ひとつの欲求が満たされれば、次の欲求が芽生え、
それも満たされれば、また次の欲求…というように、人間の欲求を五段階に分類している。

考えてみるに、この成功に対する定義は、人間の欲求の最終段階である自己実現と
限りなくイコールになることに気がつく。
「自己実現を果たすことが、人生で成功することなのだ」と言い換えてもいいだろう。


ひるがえって、ビジネスマンにとって一番身近な話題である「出世」は、
成功に直接結びつくのだろうか?

基本的に、出世と成功は違う、という命題が存在する。
「出世」は客観的なもので、「成功」は主観的なものだからだ。

だからこそ成功を、「自分にとって意義ある」というように、自分の問題として定義づけ、
それを明確に描くことが大切なのである。

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