目標を掲げるだけですべてがうまくいくなら、こんなに楽なことはない。
目標を立てたあとは、チェックとメンテナンスを行う。
これをしなければ、成功はおぼつかない。
これは、すべてのことにいえる。
経営についてもそうなら、人生計画についてもあてはまる。
企業では、会計年度ごとに収支決算する。
だから、イヤでも一年の歩みと実績を評価する。
だが、個人となると、ついダラダラと日を過ごしてしまいがちだ。
したがって、意識的に一年をひとつの期限として計画を設定し、
一年ごとにチェックと修正を行うとよいだろう。
チェックと修正を行うタイミングは、誕生日とか元旦のように、
毎年必ずめぐってくる日で、しかも忘れにくい日に決めておくといい。
チェックすることさえ「そのうちやろう」と、先延ばしすることがありうるからだ。
住宅リフォーム会社の勤務するYさんは、誕生日は家族と過ごすが、
その近辺の週末には、必ず、一人で山に登る。
子供はかわいいし、妻も愛している。
だが、それでも、ときには一人になって自分を静かに見つめる時間が必要だ・・・。
Yさんは、そう考えている。
学生時代から大好きだった乗鞍岳に登り、渓流に釣り糸をたれたり、
多くの登山者でにぎわうあたりを離れて、一人トレッキングを楽しんだりする。
夜になると、山頂近くの宿で一年を振り返り、
できなかったこと、足りなかったことをかえりみる。
そのうえで、翌日からの一年に向かって、計画を立て直す。
このチェックと修正のおかげだろうか。Yさんは、
以前から提案していた新規事業であるユニーバーサル・リフォーム部への配転がかない、
人生計画は予定以上に順調に進んでいる。
さらにいえば、もっと小刻みなチェックも必要だ。
企業では四半期ごとに業績をまとめ、チェックする。
個人でも年に四回程度の中間チェックを行えば、実行部分のブレを修正しやすいと思う。
偶然だが、Yさんの家族の誕生日は、四季に分かれている。
春と夏には子供の誕生日。秋には自分の、冬には妻の誕生日という具合だ。
その都度ファミリーイベントをして、至福の時を過ごす。
と同時に、その家族の幸せを底支えしていかなくては…という
どっしりとした責任感もかみしめる。
二人の子供はまだ幼い。妻は、いずれは就業復帰を望んでいるが、今は子育てに専念している。
「この三人の幸せは、なんとしても自分が守っていくのだ」という決意と覚悟が、
必然的に、Yさんを、行動計画の中間チェックに向かわせるのだ。