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マネジメント

第29回 『「公私混同」大いに結構』

社長の右腕をつくる 人と組織を動かす

ビジネスマンにとって、仕事は自分と切っても切れない関係にある。
会社のために働く一方で、自分のビジネスマンとしての座を確保するために働いているという現実がある。
そして、その結果「収入」を得ている。

通勤時間を含め、平均的なビジネスマンは一日10時間以上、自分の持ち時間を仕事に割いている。
二度と取り返しの聞かない 10時間を、ただ収入を得るためだけに費やすのは、いかにももったいないが、
仕事とは、それほど個人の生き方と対立する関係にあるのだろうか。


会社というものは、自分の生き方や価値観を高めるための「人生の劇場」であるといえよう。

私自身、大学を出てすぐの新米から今日まで、様々な失敗や成功を経験してきた。
読書では得られぬ体験もたくさんあった。人間関係にもまれ、ケンカもしたし、降格も経験した。転職もした。
私は、あらゆることを仕事から学び、教えられてきたのだが、今もその気持ちは変わっていない。
仕事を通じて、己の生き方も教わったのである。

ある意味では、会社を利用したといえなくもない。しかし、それでいいのではないか。

自分のモノの考え方や価値観を仕事と対立させるのではなく、両立させる。
それが、組織人として働く場合に、もっとも健康的で望ましい生き方であると思 う。

そしてその意味において、「活私奉公」という形も成り立つのではないか。

「滅私奉公」ではなく、「あちらも立てて、こちらも立てる」という、ある種のスマートさを追求したいものだ。


一般に、「趣味を仕事にするな」とよく云われる。
仕事にした途端、趣味が楽しみから苦しみに変わってしまうことを恐れるからである。

「仕事は趣味ではない」という言い方もある。仕事は苦しいものだ、生半可な気持ちでは勤まらないということだろう。

しかし私は、あえて「仕事を遊びにしろ」と言いたい。「公私混同」大いに結構である。



新  将命     

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