menu

経営者のための最新情報

実務家・専門家
”声””文字”のコラムを毎週更新!

文字の大きさ

戦略・戦術

第204話 経理担当の社長夫人は、銀行から狙われやすい

強い会社を築く ビジネス・クリニック

借入金という爆弾を背負ってしまう社長夫人

もうひとつ、社長婦人が金庫番という会社の貸借対照表には、大きな特徴があります。借りる必要のないお金を銀行から借り、現預金を過剰に抱えているのです。

「御社特別の優遇金利でお貸しします。」

「何かあった時のために、少し多い目に現金をお持ちのほうがいいですよ。」

「口座に現金が多くても、邪魔にはなりませんから。」

などと、甘い誘いで社長よりも金庫番の奥様に近づくのです。この人に言えば借りてくれる、とわかっているのです。


「いくら現預金を持っていても、借入金は返さないといけないんですよ!金利も発生してますよ!」と、ある社長夫人金庫番にきつく言いました。

すると、
「わかっているんですよ。わかっているんですけど…、通帳にお金がたくさんあるのを見ると、なんか、安心できるんですよねぇ…。」と言うのです。

まったくわかっていないのです。女性特有の防衛本能の表れなのか、“借入金”という危険な爆弾を背負っていることに、あえて目を伏せているのです。妄想であることがわかっていても、“安心”に浸りたいのです。


そのような人物が金庫番では、いつまでたっても無借金になりません。結局その会社の場合、後継社長への世代交代とともに金庫番から外れてもらいました。銀行には当座貸越枠を作ってもらうことで、その元金庫番にも納得してもらいました。そのご婦人は、銀行優位の時代に思うように借りることができず、資金繰りでご苦労された世代の方です。その時代のことが染みついていたのです。

しかし今やカネ余りで、借り手優位の時代なのです。


家業の規模ならまだしも、企業規模ともなれば、ここで紹介したような状況は会社のためになりません。

社長夫人が会社の財布のヒモを握って取り仕切る光景は、同族企業特有のイヤな臭いを周囲に放つだけです。もし自分の会社がそのような状況なら、一刻も速く、改めてほしいのです。

1 2

3

第203話 投資育成会社に株式を持たすのはやめなさい前のページ

第205話 令和時代の特質を理解せよ次のページ

関連セミナー・商品

  1. 「第37期 後継社長塾」

    セミナー

    「第37期 後継社長塾」

  2. 社長の財務戦略

    社長の財務戦略

  3. 井上和弘『経営革新全集』10巻完結記念講演会 収録

    音声・映像

    井上和弘『経営革新全集』10巻完結記念講演会 収録

関連記事

  1. 第102話 期末決算準備は

  2. 第209話 令和6年の税制改正

  3. 第53話 「銀行支払い金利率はどうしたら下がるのか?」

最新の経営コラム

  1. 第80回『世界は、ますます二極化する。人を介すビジネス、人を介さないビジネスに分かれている!』~6カ国、8都市視察報告~

  2. 第31講 カスタマーハランスメント対策の実務策⑱

  3. 第177回 コミュニケーション上手になる仕事の進め方99「聴覚情報―『感じの良い挨拶と返事』と『品格を伝える言葉遣い』

ランキング

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10

新着情報メール

日本経営合理化協会では経営コラムや教材の最新情報をいち早くお届けするメールマガジンを発信しております。ご希望の方は下記よりご登録下さい。

emailメールマガジン登録する

新着情報

  1. 税務・会計

    第79回 インボイスを修正するときの注意点
  2. 製造業

    第266号 顧客を獲得し、熱烈ファンにする「清掃」とは
  3. 人事・労務

    第52話 就業管理をきちんとしなければ好循環は維持できない
  4. 戦略・戦術

    第160話 取締役会を月1回は 開催しなさい
  5. マネジメント

    第三十五話 最初は寝る暇も惜しんで頑張ろう(誠志堂マイヤーズ)
keyboard_arrow_up