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製造業

第315号 全工程の中で、最も遅い工程の速さでしかモノづくりはできない

柿内幸夫─社長のための現場改善

 今回も私の著書「改善の急所101項」から1項を紹介し、実例を挙げて解説します。  

 【急所56】全工程の中で、最も遅い工程の速さでしかモノづくりはできない。(134頁)

 この絵をご覧ください、水の入ったペットボトルが逆さまに立っています。そしてこのボトルが会社で、仕事は水をたくさん流すことだとします。
315-1.jpg
 
 もしこの会社の社長が1工程から4工程までのリーダー全員を集めて、それぞれに直径を10%広げる指示をしたらどうなるでしょう? 
 
 面積は1,1×1,1=1,21なので、すべての工程の断面積が約2割増え、その結果流れる水の量も約2割増えますね。
 
 しかし、それってどうですか?
 
 「2割増とはたいしたもんだ!」と思われますか? 
 
 思いませんよね。だって4工程がボトルネックなのは明らかですから、1工程から3工程をいくら広げても全体の流量に変化はありません。
 
 そうではなくて、1工程から3工程の人を4工程に集めて4人全員で協力して4工程の直径を40%増やせば、面積は1,4×1,4=1,96なので約2倍になります。流れる水の量が2倍となると、それこそたいしたものですね。
 
 数字はかなり大雑把ですが、ここでの「ボトルネック」という概念はお分かりいただけると思います。なにしろボトルを使ってボトルネックの説明をしているのですから、誰が見てもそりゃあそうだと思っていただけると思います。
 
 ここで皆さんに考えていただきたいことがあります。皆さんは「ボトルネック」という言葉を使って、工場改善のやり方を決めておられるでしょうか。この例にあるように、ボトルネックが存在するのに、すべての工程の人にそれぞれ10%の改善を指示しているということはないでしょうか?
 
 もちろん、実際には工場のボトルネックはこの絵のようには簡単に分かりません。時々刻々ボトルネックは変化しているという工場もあることでしょう。実際には、みんながそれぞれ自分の工程を改善している会社はとても多いと思います。一番大切なところにみんなが集合してというやり方をしている所はむしろ少数かもしれません。
 
 しかし写真の例でお分かりのように、改善で効果が上がるのは4工程の改善のみであり、1、2,3工程での改善は効果を生まないのです。この写真ほどではないにしても、少しでもそのようなもったいない改善をなくすことは大切です。
 
 では、どうしたらボトルネックを見つけられるのか? 
 
 ですが、私だったら社長が1~4工程の4人のリーダー、技術や管理の人たち、そして営業の人たちとも一緒に、最初の工程から最後の工程までおしゃべりをしながら歩くことをお勧めします。そこで、目の前の現場を見ながら、それぞれの人たちが自分たちとのかかわりや、やりたいことや感じていることをしゃべり合います。
 
 そこでの自由な会話を通じて、いろいろなことが分かってきます。ボトルネックがどこでどういう形で起きているかも、そこで分かります。分かったら、その場でみんなで改善して、そのボトルネックを解消するのです。
 
 例えばボトルネックが3工程であったとした時に、3工程のリーダーに「君の工程がボトルネックなのだから改善しなさい」ではなく、「みんなで改善して3工程のボトルネックを解決しよう!」と言ってくださいね。
 
 

 

 

 

※柿内先生に質問のある方は、なんでも結構ですので下記にお寄せください。etsuko@jmca.net 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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