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製造業

第245号 短期間で生産性を上げる「真似する仕組み」づくりのすすめ

柿内幸夫─社長のための現場改善

 11月になってクリスマス飾りが街のあちらこちらで見られるようになりました。ウキウキします。下の写真は、東京日本橋で見かけたツリーです。

kaki245-1.jpg さて、先回にチョコ案制度についての9つの特徴を列記して、最初の 1)の解説をいたしました。今回は 2)について説明いたします。

 最初に忘れてしまった方のために、もう一度、「チョコ案制度」の9つの特徴を列記します。

 1) 大きな成果を求めない。

 2) 独創性を求めない。

 3) 会社の役に立つことや仲間が喜ぶことであれば、従来の改善提案の常識にとらわれずすべて評価する。

 4) 結果のみでなく、プロセスも評価する。

 5) 報告の用紙も極力簡素化し、「改善以前の状況」と、「改善後の状況」と「自分の氏名」の3点を書けばよいというメモ程度の内容で十分とする。

 6) 一般の改善提案制度のように内容の等級付けをしない。

 7) 報奨については1件100円前後の金額が妥当であると考える。

 8) 1ヶ月に全員が最低でも1件の改善を実行して報告するといったルールを設ける。

 9) 気軽な発表会を実施し、みんなで改善というものに慣れ親しむ。

 それでは、2)の特徴についてくわしく解説します。

 2) 独創性を求めない。

 いわゆるマネもありとする。別の人がやったことをマネして実行することはもちろん、効果があれば横展開するたびに改善の実行として評価する。すなわち、同じことを別の3箇所で同じ人が実行すると、3件の改善実行として評価される。

 ところで、「改善」とは読んで字の如く、「善く改める」ことなのですから、よくなるのであればどんどん変えていけばいいと思うのですが、実際の現場では必ずしもそのようにはなっていないことが多いようです。

 例えば、隣の現場が良い改善をしてほめられていたとしましょう。もしその改善が自分のところでも適用可能であり、実行すれば良くなると分かれば、すぐにでも同じ改善を実行すればいい。

 ところが、「マネしちゃ悪い」とか、「やるからにはやはり一言ことわる必要がある」といった感じで、すぐに実行には移れないような発言を耳にします。

 このような声が上がる気持ちも分かります。しかし、もしある一部で実行された良いことがすべての他の部所でも実行されるとしたら、その会社が発揮する効率はすごく高いものとなるのですから、いいことであったら関わるすべての人がそれを実行するべきです。

 考えてみてください。例えば、とても素晴らしい改善をAさんがやったとしましょう。そしてその改善を実行できる場所が、会社内にあと100箇所あるとします。

 もしそのすべての箇所でその改善が即座に実行できたら、その会社はごく短期間で爆発的に効率が上がることになりますよね。

 こう話すと、多くの方が「当たり前だ」と思われるかもしれません。しかし、もし実際にやる場合、どうやったら実現しますか?

 意外と難しいのではないでしょうか。 Aさんの事例一件だけではなく、これから先、BさんやCさんDさんのすべての改善においてもいつもできるようにしたいのです。

 私はそれがいつも実行できるためには、「マネをすること」を会社として奨励するような仕組みが有るといいと考えるのですが、それがこのチョコ案制度の特徴の二つ目ということです。

 つまり、「チョコ案制度」の特徴は、マネをすることを高く評価して、進んで実行するべきことと定めているところです。

 マネをすることで会社が良くなったり、仕事が楽になったり、職場がきれいになったり、仲間が喜んでくれたりということであればドンドン実行します。そしてそれを会社が評価するとよいでしょう。

 下の写真は、ひとつの改善をみんなが真似できるように、壁にチョコ案をたくさん掲示している会社です。皆さんもぜひ参考にしてください。

kaki245-2.jpg 急に寒くなって参りました。街にはコートを羽織っている人も多く見かけます。風邪をひきやすい季節になりました。暖かい服装で風邪対策をお願いします。

kaki245-3.jpg

copyright yukichi

※柿内先生に質問のある方は、なんでも結構ですので下記にお寄せください。
etsuko@jmca.net

 

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