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製造業

第312号 自社の実力は、モノづくりの6段階のレベルで把握せよ(8)

柿内幸夫─社長のための現場改善

 今回も私の著書「改善の急所101項」から1項を紹介し、実例を挙げて解説します。  

 【急所64】自社の実力は、モノづくりの6段階のレベルで把握せよ。(7)(152頁)

 《最強のモノづくり 6段階》
 ・レベル1 工程内の流れ
 ・レベル2 工程間の流れ
 ・レベル3 工場内の流れ
 ・レベル4 工場間の流れ
 ・レベル5 お客様への流れ
 ・レベル6 一気通貫の流れ
 
 「最強のモノづくり」の6段階のレベルを書きました。レベル1の「工程内の流れ」からレベル6の「一気通貫の流れ」まですべて流れのレベルで評価されるしくみです。
 
 さて、今回とうとう最終の「レベル6 一気通貫の流れ」までやって来ました。さすがにレベル6となるとこれまでの流れのレベルとは一味違います。
 
 レベル1~レベル5までは、すでにある商品を最短のリードタイムでお客様へお届けする方法でした。しかし今回ご説明するレベル6は、まだない商品を最短のリードタイムでお客様へお届けするというものです。
 
 すなわち、お客様のニーズをとらえ、求められる商品を設計から商品化まで、最短のリードタイムで開発し、なおかつ設計レベルでのコストダウンをはかり、より安く、より早くつくって市場に供給するレベルです。ゼロから100のレベルを目指す非常に難度の高い仕事です。
 
 パナソニック創業者の松下幸之助翁の金言の一つとして、「経営とは徹底したマーケティングと徹底したコストダウンを追求することだ」という言葉があります。
 
 当たり前のことですが、たとえコストが世界一安くても、もしその商品を誰も欲しがらず一個も売れなければ会社はつぶれます。
 
 また、いくら売れる商品を開発しても売値にコストが合わなければ、いくら売れても儲かりません。つまり安くつくるということと、売れるモノを開発するという両方を実行できて初めて最強のモノづくりができ、経営が安定するといえるのです。その到達点がレベル6というわけです。
 
 この場合、売れるものを開発するということは必ずしもアイフォン級の大発明をしろということではありません。製品が世の中全体に与えるインパクトが問題なのではなく、お客様一人ひとりのニーズに寄り添ったモノづくりであることが大切です。
 
 例えば、お客様があなたの会社に来社されこう尋ねるのです。
 
 「あなたの会社でこういうモノが作れませんか? これまでたくさんの会社を訪問して同じ質問を繰り返してきましたが、どこでも断られました。あなたの会社が最後です。もしできるのなら、お金はいくらでも払います。」
 
 そこで、社長であるあなたはその場で営業、設計、調達、技術、製造など、かかわりのある社員を集めて、ワイワイガヤガヤの「知のすり合わせ」を実行し答を出し、その難問を見事にクリアーするのです。決して逃げずに挑戦する勇気が必要です。レベル6を達成するということはそういうことなのです。
 
 そして、その実現のためには、普段からみんなが一緒になって力を合わせて改善を実行する習慣も必要です。
 
 ところで、この二枚の写真をご覧ください。
 
312-2.jpg
312-3.jpg
 一枚目の写真にはサイコロ状の立方体が写っています。それをちょいとひねると、二枚目の写真のようになります。実際に手に取ってみると、ぐるぐる回りながら形を変え続ける非常に複雑な構造物です。実はこれ、私が作ったんですよ。すごいでしょ!!
 
 どうやって作ったか? 実は簡単で、前もってプログラムされた3Dプリンターのスイッチを私が押したら、ひとりでにできたのです。これはもちろん壊せば分解されますが、決して組み立てることはできない構造です。下から層を重ねて印刷するしかないのです。
 
 私が『「最強のモノづくり」』を出版した2001年には、このようなモノの作り方はありませんでした。しかし今は、家電量販店でこの3Dプリンターが売られている時代です。当時、私が想定していたレベル6とはまた違ったレベルのレベル6が、実現できる時代です。
 
技術の進歩にはワクワクさせられますが、同時に要求されることも多くなりますから身が引き締まります。
 
設計レベルも含めてモノづくりを考える時代です。みんなで勉強しながら新しいレベルにチャレンジしていきましょう!
 
 
 
312.jpg
 
 
 

 

 

 

※柿内先生に質問のある方は、なんでも結構ですので下記にお寄せください。etsuko@jmca.net 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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