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仕事術

第27回 再び始める、新世代のハイファイオーディオ

デジタルAVを味方に!新・仕事術

かつて趣味の王様と言えば「オーディオ」を思い浮かべた方も多いでしょう。しかし、1980年頃に全盛期を迎えたオーディオブームは徐々に衰退し、現在では、超マニアの世界と、携帯機器を中心としたお手軽なリスニングスタイルへと二極化が進んでいます。

原因としては、パソコン、タブレット、スマートフォン、電子書籍など、次々と登場するデジタル機器が可処分時間の多くを占めるようになった事などが挙げられますが、オーディオは音楽ソースの主役がレコードからCDに変わって以来、目新しい大きな変化が無かったのも一因でしょう。

本連載の第21回「オーディオブーム」が再来?!」では、コンパクトサイズの本格派オーディオを取り上げましたが、ここ最近、「ハイレゾ」をキーワードに、高品位なオーディオが大いに盛り上がってきました。

今回は、そんな「ハイレゾ」のポイントと注目製品を挙げつつ、趣味で楽しむオーディオとしての観点と、トレンドウォッチの観点でご紹介します。

「ハイレゾ」とは? 

オーディオにおける「ハイレゾ」とは、「ハイレゾリューション」の略称で、CDよりも3倍~8倍程度の高密度な音源や、その音源を充分な音質で再生できるオーディオ装置全般を指します。

「ハイレゾ」は、豊富な情報量を持ち、余韻などの微少な音の再現性にも優れ、録音現場の空間の広さをも感じられるような、より生に近い音質で楽しめます。

過去、「DVD-Audio」や「SACD」と言ったディスクメディアによるハイレゾ音源が登場しましたが、再生には専用のディスクプレーヤーが必要で、ある程度の普及はしているものの、ヒットには至っていません。

その後、数年の歳月を経て、「ハイレゾ」は、インターネット接続環境の向上やPCの低価格化の流れと出会い、敷居の低い新世代の高品位オーディオとして生まれ変わったのです。

音源はインターネット経由で配信され、ユーザーは自宅に居ながら、ダウンロード購入できます。最小の再生環境は、手持ちのパソコンにUSBオーディオと呼ばれる変換器を加えるスタイルで、パソコンユーザーなら気軽に始める事ができるのも特徴です。

 家庭用オーディオにも「ハイレゾ」の波が到来

パソコンを中心に注目を集めた「ハイレゾ」は、家庭用オーディオにも影響を与えています。ホームシアターに用いるAVアンプ、ミニコンポなどが、ネットワークを経由して、パソコンやNAS(LAN上のHDD)に保存されている音楽ファイルを再生できるようになるなど、家庭用オーディオの新しい楽しみ方として認知されるに至っています。

そして2013年、ついに「ハイレゾ」がメジャーな存在に。ソニーが「ハイレゾ」を看板に掲げたのです。「ハイレゾ」による音楽配信、Walkmanや家庭用オーディオのハイレゾ再生対応など、全面的な取り組みで、ハイレゾの勢いは一気に加速しそうです。

高級オーディオで「ハイレゾ」の楽しみ

ソニーが高品位な「ハイレゾ」対応のHDDプレーヤー第一弾として発売したのが、「HAP-Z1ES」です。希望小売価格は税込220,500円で、現在、一般的なユーザーが購入するオーディオ機器としては高価な部類と言えるでしょう。詳細は割愛しますが、ソニーならではのこだわりが凝縮されていて、評論家やユーザーの評判も大変良く実売も好調。オーディオ業界では、近年希に見るヒット製品と言えそうです。またソニーは、「HAP-Z1ES」の発売に合わせ、アンプの「TA-A1ES」発売。セット製品でありませんが、「TA-A1ES」も音質面で評論家やユーザーの評価が高く、「希望小売価格の税込220,500円は安い!」との声も多く聞かれます。「HAP-Z1ES」に「TA-A1ES」とスピーカーを組み合わせれば、”近代版高品位オーディオ”システムの出来上がりです。

試聴しましたが、その音質は過去の高級ハイファイオーディオとは異なる新しいもの。ハイレゾ音源のもつ空気感が素直に空間に放たれ、繊細ながら疲れない柔らかな音を聴かせてくれます。奥行きや上下方向のスケール感に加え、楽器の位置関係が目に浮かぶように明瞭で、さらに音がやって来る距離感までも感じ取れます。まさに「生」の音に近い感覚が得られ、仕事での疲れやストレスも癒してくれるでしょう。コンサートに出掛けるのも良いですが、自宅に居ながら、いつもベストな演奏を愉しめるのは、オーディオの楽しさの一つと言えます。

【製品】

digital2013113.jpg

左:HDDプレーヤー: SONY HAP-Z1ES     右:プリメインアンプ: SONY TA-A1ES

 

「ハイレゾ」、今後の展望

 
今回は趣味としての「ハイレゾ」や「オーディオ」の楽しさを中心にご紹介しましたが、ビジネスとしても今後の展開が気になります。ソニーが全面的な取り組みを打ち出した事で、注目が集まった「ハイレゾ」ですが、「ハイレゾ=高音質」ではありません。音源制作時のクオリティー、プレーヤー、アンプ、スピーカーのクオリティーなど、どれか一つでも欠けると、従来のCDと同じに聞こえてしまうのも事実です。マーケティングのキーワードとして「ハイレゾ」が独り歩きし、クオリティーが伴わない、あるいは、消費者に明確なアドバンテージを与えられなければ、そう遠くない将来に廃れてしまうでしょう。

堅い話になりましたが、AV機器全般において、新しく取り組むテーマは、各社、評判を落とすまいと、1号機には並々ならぬ心血を注ぎ、出来の良い製品が多いものです。そうした観点からも、「HAP-Z1ES」に「TA-A1ES」は、クオリティーに対し、非常にお買い得な価格設定をしたようにも思えます。少しオーディオの愉しみから離れられていた方、初めての方も、「HAP-Z1ES」と「TA-A1ES」に注目してみては如何でしょうか?
 

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 鴻池賢三

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