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人間学・古典

第十三話 「声無きに聴き、形無きに視る」

中国哲学に学ぶ 不況は会社守成の好機

※本コラムは2000年代に井原隆一氏が書き下ろした「不況は会社守成の好機」全41話のコラムを再連載するものです。



“声無きに聴き、形無きに視る”

  (相手が言い出さないうちに、何を言いたいのかを悟り、行動で示さないうちに何を希んでいるのかを知る)

この言葉は子として父母に仕える心構えを示したものであるが、事業経営にも役立つものである。技術開発、新商品開発にしても人々の心を予測して進める必要がある。
組織管理にしても上が下の人々の心を読み取り、下の人々がトップの心を知ってこそ一心同体の力が発揮できる。 

現職中、私にもこんな体験がある。
銀行の人事部長当事である。毎年正月には、本部部長、支店長、何十人の内から十人が選ばれて頭取の自宅へ招かれ、無礼講の宴会が開かれ、頭取夫妻も、三味線、尺八の二曲演奏も加わるほどであった。

前年、私は富子頭取夫人の前で、春日八郎の“死んだはずだよお富さん”を踊って恐縮して、その夜は静かにしていたが、宴も終わりに近づいたころ、頭取が“君達のように元気者揃いだと僕も楽ができるのだが”とつぶやいていた。

それから三月の年度末、突然、頭取から呼ばれ、“部長の10%ばかり異動したい。すぐ人選をせよ”という命令。“それなら、もう作ってあります。”“誰から頼まれた”“頭取からです”“正月にご馳走になっているときに命令を受けました。私は頭取の独り言でも冗談でもすべて命令として受け止めています”

“君には、うかつに冗談もいえないな”と笑っていた。



 ※栗山英樹氏から、本コラム井原隆一氏の「人の用い方」書籍と、井原隆一「人の用い方セミナー」収録講演CD版・デジタル版を推薦いただきました!

 監督の仕事は、選手の心を動かし、勝利の高みに導くことです。人をいかに用いて、信頼感を高めるか―――
その答えを求めて、私は井原さんの「人の用い方」のCDを5年間、毎日球場までの往復2時間、車の中で聴き、本をカバンに忍ばせていました。選手は勝利のために厳しい練習をしているわけですから、私は素振りの代わりが勉強だと思っています。

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