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マネジメント

第五十六話 「最後の最後までジタバタ」(きもの川久)

社長の口ぐせ経営哲学

厳しい呉服業界の中にあって、独自の戦略で商売を続けている
老舗の大型呉服店が千葉県松戸市の郊外にある「きもの川久」である。

同店 は千葉県内の柏市、船橋市からも離れた店舗立地としては決してよくない、商売的には不利な場所にある店である。
最悪の立地条件でありながら、県内で一番振袖を売っている呉服店である。振袖は常時500点以上を揃えている。


同社には年に30万円以上を購入する常連さんが約500人、全顧客数の25%もいる。
また、通常のリピーターより格上の特上リピーターと呼ばれる超常連は、
年間100万円以上購入しているお客で、約150人を確保している。
特上リピーターの平均年齢は60歳前後、45歳から70歳までの女性客と幅広い。
 

同社は、なぜ、リピート客づくりがうまいのか。
優良顧客の取り込みに成功している理由は、差別化したイベントの展開である。
年3回、“国立劇場なみの古典 文化の紹介”と銘打った「川久古典芸能に親しむ会」を開催している。
また、川上道久社長は日本有数のきものコレクターであり、各分野に幅広 い人脈を持っていることも見逃せない。
その人脈を活かしたイベントを展開している。
 

費用対効果のあるイベントを開催しているが、華やかなイベントだけが同社のリピーター獲得戦略ではない。
日々の地道なアプローチも実施している。スタッフ が絵手紙を送付している。
顧客へ送るDMは販促の定番だが、水彩画のような綺麗な自社オリジナルの絵手紙はまるで私信のようなもの。
来店動機につながり、 商談が進むきっかけにもなる。


現在、呉服業界は購買層の広がりは難しく、非常に厳しい市場である。
同社はこうした状況に対応するべく、リピーターの受注を増やすための戦略で動いている。
社員スタッフに対して、川上社長は「万策尽きてもがいていると、思いがけないアイデアが生まれます。そのために、
精一杯ジタバタと手足をうごかすこと。『最後の最後までジタバタ』の覚悟で商売をしています」
という。


ある大手喫茶チェーンの経営者が「最後の最後まで喫茶店」をやるというつもりで経営をしているという話を
きいた川上社長は、ネバーギブアップの精神をも ち、経営し続けることを決意しているのだ。
“経営の神様”と呼ばれた松下幸之助氏が「成功するコツは、成功するまで続けること」と語っている。
今まで、川上社長が経験した厚い壁も、万策尽きての窮余の策で乗り切ってきた。
「最後の最後までジタバタ」が口ぐせになっている。再度、挑戦を続ける 老舗企業である。

 

                                                             上妻英夫

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