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税務・会計

第59号 BS「格言」 其の八、其の九

会社を守り抜くための緊急対策

其の八

自宅は負債

 

 会計学における資産とは、「企業等の経済主体に帰属する用益潜在力であり、貨幣額で合理的に評価できるもの」となっています。正直、よく分かりません。
 ちなみに、『金持ち父さん貧乏父さん』の著書のロバートキヨサキ氏の資産とは、「あなたのポケットにお金をいれてくれるもの」であり、負債とは「あなたのポケットからお金を奪っていくもの」となっています。
 非常にわかりやすい定義です。
 この定義でいきますと、マイホームは「負債」になります。マイホームは、家賃収入は入ってきません。それどころか、修繕費は自腹になります。お金が出ていくばかりなのです。
 従って、この考えでは、収益を生まない自宅は持たない方がいいことになります。

 これらを勘案して、資産とは「現金化できるもの」「収益を生むもの」と定義しておきます。
 そうしますと、現金、預金などのようにこの定義に入るものは、会社に利益やお金をもたらしてくれますが、それ以外は資産ではないことになります。
 典型例は、仮払金、立替金、貸付金、建物です。もちろん、販売見込みのない在庫も資産ではなくなります。また、回収可能性の低い売掛金も資産ではなくなります。
 単純に、帳簿上のバランスシートをそのまま見るのではなく、ここでの資産の定義であります「現金化できるもの」「収益を生むもの」は何であり、それはいくらかを計算しておかなければ、判断を間違えてしまいます。

 

其の九

バランスシートは小さいほうが良い

 

 今後、大企業は更に経営統合を加速していきます。ちなみに合併とは、お互いのバランスシートの合算手続きのことをいいます。
 よく、ニュースで、「A社とB社が合併して、年商が○○になり、業界第○位となる」と言われますが、合併は売上など損益計算書の合算ではなく、バランスシートの合算です。

 なぜ大企業は今後、合併するのかといいますと、合併により、一度、バランスシートを大きくできるからです。大きくすればそれだけ処分しやすくなります。リストラや不要な資産処分等、大胆な効率化が可能になるのです。

 では、中小企業の今後はどうすればいいでしょうか。
 中小企業は、大企業の逆を行かなければなれません。むしろ、小さくしていくのです。
 なにを?
 売上ではありません。バランスシートです。バランスシートのスリム化を図っていくのです。
 「持たない経営」といってもいいでしょう。そうしてもっと身軽になるのです。これ以上、何を捨てるのかという会社にも、無駄なものはかなりあるはずです。

 個人にも同様のことが言えます。
 20代前半から30年間、事業経営、株式投資、商品取引、不動産等様々な分野に投資を行い、また、多くの方々から財務に関する相談を受けてきた私の結論です。

 『ものは持たない』
 『常識的な行動では財産は守り抜けない』
 『新聞やテレビを見ない』
 『あまり人と付き合わない』

 日本人は変化を好まない人たちだと言われてきました。
 その日本人が、3.11で、古いシステムに頼っていては自分達の身が危なくなっていることに気づいたと言われています。
 わたしたち日本人はあまり口には出して言いませんが、3.11で、ものを持つことの大変さに気づいた人も多かったのではないでしょうか。
 過去形で表現したのには訳があります。震災当時はそう思っていても、既に過去のことになっている人が多いからです。3.11は私たちのDNAまでは変えなかったのでしょうか。
 ものを持っていますと守るものが大きくなり機敏に動きが取れなくなります。結果として、何よりも大切な命が守れなくなることは、震災がなくても日々の生活の中でも分かっているはずです。
 しかし、相変わらず、ものを持つ行動は変わりません。
 これまで多くの資産家を見てきましたが、持たない方がよかったと心底思っている人は結構います。
 持たない。何を?
 簡単に言いますと、現金以外持たないことです。
 現金は、1万円は1万円ですし、簡単に分割できます。不動産や自社株式のように評価がいくらになるかといった問題も起きません。

 持たないこと=財産を守ること。これは相続のときにも活きる言葉です。
 持っていると心配が増える、維持費がかさむ。これは常識です。

 

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