menu

経営者のための最新情報

実務家・専門家
”声””文字”のコラムを毎週更新!

文字の大きさ

後継者

第14回 親側の教育 グローバルな視点

欧米資産家に学ぶ二世教育

急死した父親の友人に引き取られ米国で育った女性を知っている。
そのアメリカの家庭はいわゆるエスタブリッシュメント、米国でも有数の資産家で、
広大な屋敷には何十人という使用人がいたそうだ。

子供達のためにはスイス人のナニー(養育係)が雇われており、彼女と話すときはフランス語指定である。
こうした由緒正しい家庭は子供を厳しくしかも質素に育て決して甘やかさない。
長年の経験で培われたファミリーの生き残り術であろうか。


「でもパパは教育のためならお金に糸目を付けなかった」と彼女は述懐する。
例えば、中東和平会議などに参加する機会があれば子供を同行させる。
両サイドから意見や主張を聞いたうえで、自分自身の考えをもつようにと身をもって教えるためである。


彼等エスタブリッシュメントの二世教育の現場はグローバルである。
中学生にもなると寄宿学校に入り、そこで世界から集まる子供たちと交流を持つ。
別荘地でも顔を合わせ、有名大学で又一緒になる。
残念ながらそうしたソサエティの中に日本人の姿はほとんどみられない。
海外に出さなくても子弟の高等教育には事欠 かないこと、言語の問題などが要因であろう。
昨今日本の若者はなかなか外に出たがらないそうだから益々「井の中の蛙」になってしまう。
であればこそもっと 意識的に国際的な場に身をおき、グローバルな視点を養わせてやりたい。
留学・キャンプ・留学生の世話なども大いに役立つ。


何か事が起きたときそれを世界の歴史、文化、宗教のなかでの位置づける試みをさせてほしい。
単に欧米との比較ではなく、アジア、ラテンアメリカ、アラブ、 アフリカまで視野にいれておかないとこれからは通用しないだろう。


日本の「派遣社員の問題」をそんな視点から捉えたコメントを私はいまだ見たことがない。明治が産んだ国際人の
代表格の一人、岡倉点心が英語で書いた『茶の本』を読むとそのグローバルな眼の確かさに感銘を覚える。



榊原節子     

第13回 親側の教育 明るくリスク管理前のページ

第15回 タイガー・ウッズのお父さんの教え次のページ

関連記事

  1. 第60回 なぜ日本人は質問下手なのか?

  2. 第30回 英才教育とクリティカルシンキング

  3. 第54回 グローバルな視野を身につけさせるには

最新の経営コラム

  1. 朝礼・会議での「社長の3分間スピーチ」ネタ帳(2024年11月20日号)

  2. 第七十八話 展示会後のフォローで差をつける「工場見学の仕組みづくり」

  3. 第219話 少人数私募債の相続対策

ランキング

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10

新着情報メール

日本経営合理化協会では経営コラムや教材の最新情報をいち早くお届けするメールマガジンを発信しております。ご希望の方は下記よりご登録下さい。

emailメールマガジン登録する

新着情報

  1. 社長業

    第34回 新事業進出は大胆にやること
  2. マネジメント

    第306回「静かな退職」をどう防ぐか?
  3. ビジネス見聞録

    経営者のためのカンタン英語講座 Lesson2 ~「よろしくお願いします」という...
  4. 戦略・戦術

    第282号 コロナ危機を転機にする
  5. 戦略・戦術

    第46回 「今、良い企業は何に力を入れているのか?」
keyboard_arrow_up