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第76号「世界を制した日本人の選択」

米国スポーツ・ビジネスに学ぶ心理学

知人がアメリカのゴルフコースでトイレに入って、並んでいたら後ろから来たアメリカ人は躊躇なく女子トイレに入っていってびっくりした!! という話をしてくれました。 

このトイレというのはゴルフコース内にある小さなトイレで、しかもゴルフ場には女性のいる確率が圧倒的に少ないという説明を加えなければいけませんが、それにしても日本人感覚からしたら確かにびっくりするかもしれませんね。(ちなみにこの様なことはアメリカでは全く普通のことです)
この知人がびっくりしていた事を知って改めて自分の感覚も少しずつズレてきているかも?と感じました。 

この話、アメリカ人からしたら単純に男性トイレが使用中で女性トイレに人が入ってくる気配がなければ使って何が問題なの?という感覚の話です。
アメリカという国では、とにかく決定根拠が合理的か、合理的でないか?が大きな要因となります。そこに至るまでの過程や道徳的なことよりも「有効か、有効でないか?」で決めるのです。

この様になるのは文化的な理由が根底に大きく関係しています。
これだけの色々な人種がいる国になると個々の絶対や常識だけで何かを決定していたら収拾がつかなくなってしまうのです。ですから常に物事の決定の根底には有効か?有効でないか?合理的か?合理的でないか?という視点に立つのが自然であり、「絶対に女子トイレに男性が入るべきでない」という図式にはならないのです。

きっと日本人的な感覚を伝えたとしても、“では絶対に何が起きても男性は女子トイレを使わないの?壊れていて誰も入ってこなくても絶対に誰も使わないの?その場合はどこで用を足すの?”となるでしょう。
もし、そこで“その様な特別な状況では…”と言ったら“やっぱり使う状況になったら使うんでしょ!”となるはずです。

これは私が日本国内で飛行機を利用するときにもしばしば感じることないのですが、たとえどんなに小便をする方に列ができていても、誰も大便をする方を使用しない。これは他人を思いやる日本文化の美しさであり、外国からみたら不思議に見える光景のはずです。
このことは障害者用の支えがついている小便の便器をなるべく使わないのと同じですね。
障害者用の支えがついている便器は通常、一番入り口の近くにあるのですが多くの人が使いません。しかしこちらでは普通に空いていれば使われています。

この様な世界との違いを認識したうえで我々日本人がビジネスの世界、スポーツの世界、文化の世界で堂々と外国人と交わって行くためには、私は何の為のものなのか?という原点的な質問をもう一度、自分に問いかけてみることが大切であると思います。

その上で“我々はモラルを守る。理由は規則があるからではなく、他の人のこと、次に使う人のこと、周りにいる人がどう感じるかが大事だから”という発言を堂々としていくのであれば自信と誇りを持って対等に付き合っていくことができるはずです。 

先日、レッドソックスの上原浩治選手のチームがワールドシリーズで見事に優勝をしました。以前、上原さんのトレーナーから聞いた話なのですが、多くのメジャー選手はストレッチやウオーミングアップにあまり時間をかけないそうです。でも上原選手は入念に時間を費やすそうです。それは体の強さ自体も違うので、自分なりのベストな方法で考え、日本にいた時と変わらずにしっかりと準備をするそうです。

今回の話のポイント分かって頂けたでしょうか?
上原選手も結果的には日本にいるときと同じように入念にストレッチやウォーミングアップをしている。理由はしなくてもいいのだが、した方が自分にとって良いと判断したからする。つまり日本時代の規則の延長でなく、「しなくてもよい」という選択も考慮したうえで結果として入念なストレッチをしているのです。

新しい選択を考慮しての原点と、ただ昔からの風習だからといって続けている選択とでは全く意味が違います。色々なことに大きな疑問を抱き、新しい選択の可能性を探してみてください!
 

 

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