中国の春節期間1週間(2/18~24)に銀座の三越、松屋、プランタンの3百貨店の売上は前年比の2.7倍~3倍まで増加、三越銀座店は2月23日(月)を定休日にしたにも関わらず春節期間中の売上が前年比3.3倍、免税売上が全売上の40%、ミキモト銀座店は訪日客が売上の50%を越えた。
銀座以外でも高島屋新宿店は客単価が20%上昇して10万円弱となったし、西武池袋本店はホテル宿泊者の誘客を行い対前年比3.6倍だったが、帰国してから親戚縁者に配るために、化粧品や食品を中心に同じ商品を20個~30個程度まとめ買いする傾向もあったようだ。
今年はブランド品、宝飾品、キッズ・ベビー用品、スーツケース、国産高級ウイスキー、昨年から免税対象に加わった化粧水などが売れたというが、中華系旅行客の「爆買い」は、東京は18(水)、19(木)、22(日)、23(月)が多く、20(金)、21(土)は少なく、逆に軽井沢アウトレットは20~21日が多かった。
これは昨年10月の国慶節に比べて今年の春節は団体客が多かったためで、金曜、土曜は観光に行っていたためと考えられる。
国慶節は個人が多く、春節は団体が多いわけではなく、中国でも普通の人が団体で海外旅行に行ける人が増えてきているためで、今後は中国からの団体客はまだまだ増えそうだ。
私は新宿、銀座、原宿などで春節客のスマートフォンの利用状況も調査したが、iPhone6PLUSを持つ人が圧倒的に多く、その他の機種を使っている場合でも殆どの人がiPhoneを使っていたので、やはり日本に来ている人達は富裕層が多いことが伺えた。
しかし、タブレットを利用している人は少なく、子どもがゲームをしているのを見かける程度だった。
春節の状況は大阪も同様だったようで、お好み焼きの「千房」は来店客の半分が外国人で、行列もできているというし、マツモトキヨシも来店客の80%が中国人で占められたとのことだ。
2014年の訪日中国人数は対前年80%増の約241万人、2014年10~12月期の一人当たり買い物消費額は13万8,000円となっており、外国人平均の5万7,000円に比べても大きいが、その要因の一つは円安で、2013年秋1元=15円、2014年秋1元=17円、2015年2月1元=19円と、この1年半ほどで20%以上も円安元高が進み、円は元に対して最も安い水準となっているためだ。
売上が低迷する2月の中華系客のインバウンド消費はありがたいのだが、今後は観光客が自国に帰ってからも日本のものを買ってもらう工夫も重要で、来日客へのブランド認知をどのように図るかを考える必要がある。