今月14日に開業した北陸新幹線に乗って富山に出張してきた。
軽井沢から行ったので長野で乗り換えたが、長野〜富山間はトンネルが多く携帯電話やスマートフォンが「圏外」になってしまうため、全席に100Vの電源が装備されてはいても不便に感じたが、長野の次が富山なので50分ほどであっという間に着いてしまった。
一番速い「かがやき」に乗れば東京〜金沢が2時間28分、東京〜富山が2時間8分で行けるので、これまで上越新幹線と特急を乗り継いでの4時間が半分近くに短縮されるため、4〜6月の首都圏発の北陸旅行は大手旅行者で前年比5倍、北陸から東京方面も好調のようだ。
富山駅新幹線中央口並びにある「とやマルシェ」という富山、金沢の名産品の販売やレストランが集まるショッピングエリアも盛況だったし、滑川の「ホタルイカ・ミュージアム」も例年より30%ほど来場者が多いなど、富山の各所で明らかに新幹線効果が出ていることが見て取れた。
その反面、北陸新幹線の開業で関西圏は危機感を持っている。
大阪〜富山は従来の3時間15分から5〜10分短縮されたものの、東京に比べて1時間以上余計にかかることになるため、ビジネス、就職、進学などを東京に持って行かれる可能性があるし、観光はハリーポッターのアトラクションによるユニバーサルスタジオ・ジャパン人気で対前年1.5倍と好調だが、京都が金沢の影響を受ける可能性もあり、首都圏、関西圏、北陸2都市の地域間競争が今後は激化しそうだ。
だが当面は金沢、富山へ多くの観光客が訪れる状況が続きそうで、4月中旬に開通予定の北アルプス「立山黒部アルペンルート」の標高2,450mメートにある「ホテル立山」は宿泊予約が昨年を上回り、既にゴールデンウイーク中はほぼ満室、毎年4月下旬~5月上旬に開催する「となみチューリップフェア」(砺波市)への問い合わせも首都圏からを中心に例年より約20%増だという。
一方、長野新幹線・軽井沢駅前のアウトレットモール「プリンスショッピングプラザ」も 、北陸新幹線開業後は正月や春節時期に主役であった中華系観光客に代わり日本人客で賑わい、春分の日の週末は暮れ正月やゴールデンウイークのような人出だったが、北陸方面からの旅行客も多く含まれていたように感じたし、北陸方面の客からのリゾートマンションや別荘の問い合わせは1年前の5倍だという。
交通網の整備により、大都市とつながった地域の支店が統廃合されたり、小売り客を都市に奪われるという「ストロー効果」という現象が起こる可能性があり、富山や金沢は警戒が必要だが、美味しいものが多い北陸には富山のホタルイカ、白エビ、金沢のお茶、和菓子、越前蟹などを目当てに旅行に来る人も多く、この1年は富山、金沢が話題になりそうだ。