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- 第39回
鉄道と大自然の町の《地域元気化》が出発進行!
~PFIによる全国初の地域優良賃貸住宅が満室御礼~
丹沢湖で有名な、神奈川県の最西端に位置する人口1万1千人の山あいの町、山北町(湯川裕司町長)に、
全国各地の自治体、不動産・建設関係者が続々と視察に訪れている。
2014年3月25日、PFI事業による全国初の地域優良賃貸住宅「サンライズやまきた」が竣工し、
満室で事業をスタートしたため、見学者が跡を絶たないのだ。
PFIとは、プライベート・ファイナンス・イニシアティブ(Private Finance Initiative)の略で、
公共施設などの建設、維持管理、運営等を、民間の資金、経営能力、および技術的能力を
活用して行う手法を意味する。
1992年にイギリスで生まれた行財政改革の手法であり、欧米など各国で、有料の橋、鉄道、病院、
学校といった公共施設の整備、再開発などの分野で成果を収めている。
日本でも、1999年7月、PFI法(民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律)が
制定され、各地で成果を挙げて来た。
さらに、2011年6月の改正によって対象となる施設が拡大され、従来の公営住宅のみならず、
中堅所得者向けの賃貸住宅(地域優良賃貸住宅)にも適用されることとなった。
山北町では、湯川町長がまさにイニシアティブを執り、この法改正を活用し、全国に先駆けて計画を進め、
竣工に漕ぎ着けたのだ。
しかも、いかに好条件とは言え、東京都でさえ人口が減少し始めている少子高齢化の時代に、
交通アクセスも良いとは言えない過疎化が進んでいた町で、基本的な入居条件が
子育て世帯または同居者に18歳未満の者がいる世帯に限るという高いハードルがあったにもかかわらず、
42戸もの部屋が初日から満室御礼で施設がオープンしたことに驚嘆の声が上がっているのである。
◆立役者ならぬ建役者の挨拶で《地域元気化》が出発進行!
「サンライズやまきた」の竣工式で、湯川裕司町長は、
「旧・東海道本線の機関区があった、この駅前の土地の有効活用は
歴代の町長がさまざまな方法を探って来たが果たせなかった町の悲願でした。
それが、本日ここに数多くのご家族をお迎えできる、PFIによる
日本初の地域優良賃貸住宅として竣工の日を迎えられたことは感慨無量です」
と、この日に至るまでの万感の思いを込めて挨拶した。
続いて、コンペティションによって、この施設に関するPFI事業の受託事業者に選定され、
施設の設計・施工・入居募集を行なったユーミーらいふグループ(本社:神奈川県藤沢市、代表:保坂正和氏)
の日本PFIインベストメント代表取締役の西山和成氏が登壇。
「サンライズやまきた」の事業のために設立された、やまきた定住促進パートナーズの社長として西山氏は、
「今後25年にわたって施設の維持管理も担わさせていただきますので、
今日はゴールではなく今日からがスタートです。
25年後に、ご入居されたご家族にも町の皆様方にも良かったと
言っていただける施設にして参りたい」
と力強く決意を表明した。
立役者ならぬ建役者の2人が壇上で固く握手をかわすと満場の拍手が巻き起こった。
鉄道と大自然の町の新たな《地域元気化》が出発進行の時を迎えたのだ。
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