時代の変化にあわせて、雇用形態の多様化しています。パート、アルバイト、臨時従業員、嘱託の活用が増益の鍵だとすれば、日々その職場を束ねる責任者(正社員)の役割はさらに重要となります。
自分の頭で考え、創意工夫を怠らない実力社員をひとりでも多く育てなければ明日に繋がる成長組織は創れません。
職場の要となる社員たちが安心して仕事に専念できる処遇のルールと評価の仕組みが約束され、安定した制度として正しく運用されてこそ、優れた社員の採用もその後の活躍も描けるのです。
厳しい要件を充たして採用された期待の社員が、最初に出会う本格的な評価場面が、夏と冬の賞与を正しく配分するために実施される勤務成績の評価です。
この勤務成績を評価する成績評価制度は賞与や昇給などの賃金慣習の希薄な欧米で、職種を前提とし、業務能率の向上を目的に、必要な属人要素を直接的に考課しようとする人事考課制度とは一味違う評価制度でなければなりません。
賃金管理研究所が提唱する成績評価制度における評価の対象はその従業員(人物)そのものではなく、「担当している仕事のでき栄え=Good-Job」言い換えれば「従業員の過去半年間の成果とプロセス」の確認であり、【1】成績の評価、【2】評価誤差の調整、そして 【3】評語決定 の手順でそれぞれの役割に最も相応しい責任者が作業を分担して進めます。
【1】評価の対象が「従業員の仕事の成果とプロセス」ですから、「部下の仕事の質と量」を客観的に評価できる直属上司(課長)ただひとりが評価者であり、定められた成績評価基準書の評価要素・着眼点ごとに尺度法で点数評価します。
【2】次に間接上司(部長)の役割は自身が束ねる課相互間の成績の調整であり、成績評価調整用紙を用いて、課内の点数による評価順位と点数間隔を確認した上で、基準とする課を定め、それに他課を加えていく投影法で調整作業を進め、成績調整報告書を完成させます。
【3】最後に人事当局は調整者から提出された成績調整報告書の点数による順位と点数間隔を確認し、責任等級ごとに成績評語(SABCD)を決めることになっています。
成績評価制度では、このように評価者は直属上司、調整者は間接上司、そして評語決定は人事当局と役割分担が明確であり、手続き的にもわかりやすく、無駄もないようになっています。
この成績評価制度についてより詳しく知りたい方には、日本経営合理化協会主催の11月賃金セミナー(11月8日東京・10日大阪)へのご参加をお薦めいたします。
なお当日は、評価制度をより正しくご理解いただく貴重な資料として「成績評価制度・質疑応答30選」を配布いたします。
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日本経営合理化協会主催・賃金セミナー
「継承後も繁栄する土台をつくる給料と評価の決め方」
(11月8日東京・10日大阪 講師:弥富 拓海)
募集を終了しました。次回開催にご期待ください。