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社長業

Vol.117 オーナー社長の最大の悩みは自分で解決できない

作間信司の経営無形庵(けいえいむぎょうあん)

  昨年末の終りに、親しい社長から突然の訪問を受けた。決して売上規模は大きくないが手堅い経営と不動産投資の巧みさで強い財務体質を築いておられる。現預金の残高も10ケタを越えている。
 
 相談の内容は予想通り、相続対策であった。
 
 もちろん長男の専務には毎年一部づつではあるが株の贈与を行なっているが、とても追いつくものではない。今春にも2つある会社の一つをまず長男に譲り、本人は会長へと腹を決めた様子。
 
 長年お世話になっている顧問税理士に退職金のことも含め、少し話しを聞いたらしいが要領を得ないので、わざわざ暮も押し迫って上京されてというわけだ。多くの企業でもそうだが、役員の退職金規定一つとってもきちんと整備されているか?といえばそうでもない。
 
 U社長に聞いてもあいまいだったのだ。U社長も当然自分で決めるつもりでいるが、全て自分の思い通りになるか?といえば、そんなことはない。突然の事故や病気による死亡退職だってある。
 
 会社を譲る側が退職金を払うのではなく譲られた側が実際は払うわけだ。またつい本音が出た。地元の税理士に「全財産をオープンにするのはやはり抵抗がある」と。人間誰だってそうである。ましてや地方都市であれば、専門家といっても、人の口に戸は立てられない。
 
 ついでに一次相続、二次相続までトータルで考え、納税資金のことを計画されているか尋ねたが、そこまでのグランドデザインもなかった。
 
 年始早々に退職金規定の典型的なサンプルを送った。幸い社長も健康なのでこれから若い東京の税理士(資産税に強い)を紹介する予定である。お見合いも実際に行って頂くが、社長もさることながら奥様との相性がもっと大切だ。
 
 誰しも必ずいつかは同じ局面を迎える。皆、知っていることばかりだが実際に早くから手を打っている社長はそんなに多くいない。
 
 ましてや譲られる側から、「相続対策」の話しを持ち出すと話がこじれてくるケースが圧倒的に多い。息子が2人~3人といて、分散することも避けなければならない。先代の先手必勝が、一番の相続対策となる。

 

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