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後継者

第32回 後継社長への修練 2

欧米資産家に学ぶ二世教育

 

後継社長の修練(2)

他社で働かせている子供を「後継者」含みで自社に呼び戻すかどうか。少子化のおり、ファミリー企業の多くが後継者不足に悩む。日本の場合豊田家、野田・茂木家のように一族(複合家族)で継承を担う例はそれほど多くなく、「是非とも継がせたいが、どうも子供がウンと言わないで・・・」など売り手市場であるのが現状だ。

海外のファミリー企業の方に一族経営が多いように思える。また著名どころでは、同族経営への参画に関し家憲の細則などしっかり規定しているのを目にする。例えばロスチャイルド家には詳しい資格要件が定められており、デュポン家の場合は入社は自由だが、10年以内に経営陣に入っていなければ退社させるという決まりがあると聞いた。

自社に入れてはみたものの「社長には無理」と判明した段階で慌ててその人物を排除すべく規則を作ったのでは軋轢が後を引くし、家庭崩壊にすら繋がりかねない。事が起こる前に「入社の基準、退社の基準をはっきり決めておくべき」がこの道の専門家の強いアドバイスである。


武者修行を終えた子供を自社に迎え社長修練をさせるときは、一体どの部署がいいのであろうか?いずれは社内の各部門を回るにせよ、入社時はとくに重要である。実力をつけるべく厳しい部門に配置するのか。それには新規事業、赤字部門などがいいかもしれないが、実力がついていなければ事業自体を潰してしまう。うまくいっても軌道に乗せるまでには時間がかかろう。その間に「やっぱり二世はダメか」とツブヤかれてしまうのは芳しくない。

前回ご紹介した小山昇氏は「安全を期して必ず黒字になるような基幹部門に据えるのがよい」とする。更に後継社長としてのシンパ作りの為に「採用係」に就任させることを勧める。採用された人は恩義を感じるし、入社後、何かと面倒をみたり部署はどうであれ、人格、能力とも信頼のできる役員をメンターとし、「どう考え、どう行動すべきか」実践の場でみっちり仕込んで貰う体制をつくるのが肝要ではないだろうか。そうした媚びない人物の「大丈夫」というお墨付きがあって初めて後継者として内外に喧伝できるのではないだろうか。

榊原節子

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