◆コマーシャルデザインラボ◆ 「ノウハウを披露する」 |
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昨年、新宿に、飲食店開業に関する情報を集めた図書館『コマーシャルデザインラボ』がオープンした。
約70平米のゆったりとしたスペース。
扉や床などには、どっしりとした木が使われている。
家具は重厚なアンティーク。
まるで、欧米の大学の図書館のような雰囲気だ。
館内は、いくつかのコーナーに別れている。一つは図書コーナー。
ここには、マーケティングや飲食店経営などに関する入門書がずらりと並んでいる。
また、「食販、酒販メーカー情報」「厨房機器、備品業者情報」「店舗物件情報」をはじめとした
業者情報、商品カタログなども充実している。
飲食業界以外で働く人でも、将来、飲食店を経営したいと考える人は少なくない。
そうした人でも、このような資料を読んでいけば、
「どんな立地だから、どんなコンセプトの店にして、どんな業者と取引をすればいいのか」といったことが
イメージでき、次第に、計画が具体的になっていくわけだ。
コンシュルジュデスクが置かれたコーナーもある。
ここでは、飲食経営の専門家がいて、コンセプトづくりから資金計画、販売促進など、
開業に関する具体的な相談にのってくれる(1時間1000円)。
具体的に開業準備に入った人は、業者との商談用レンタルスペース(1時間500円)が便利だ。
また、定期的に開業セミナーも開催している。
『コマーシャルデザインラボ』では、このように、
漠然と開業を考えている人から開業が具体的になった人まで役立つ資料やスタッフがいるわけだ。
運営しているのは、商業空間の企画・デザイン会社のスタジオナガレ。
同社は、昨年から、実際に店舗経営に乗り出した。自分達で店舗を経営して、ノウハウを蓄積すれば、
より、高度な提案を客にできるようになるからだ。
ここに置かれている資料は、実は、同社が、開業にあたって使ったもの。
また、様々なサービスを用意したのは、同社が、いくつかの局面で困った経験があったからだ。
『コマーシャルデザインラボ』を開業した目的は、若い人や団塊の世代の起業の支援。
利用するためには、入会金1000円、年会費1000円が必要だ。
現在のところ、ここで利益をとることは考えていないという。
もっとも、ここで大成功を遂げた人たちが、いずれは、同社に設計を依頼することも期待できる。
長い目で見れば、将来の顧客を育てているわけだ。
ところで、飲食店経営に限らず、自社の経験は、案外、他社、あるいは異業種の人たちに役立つものだ。
『コマーシャルデザインラボ』のやり方は、自社のノウハウを披露する一つのモデルとして、非常に参考になる。
(カデナクリエイト/竹内三保子)
◆社長の繁盛トレンドデータ◆
施設名 コマーシャルデザインラボ
運営会社 株式会社 STUDIO NAGARE
住所 〒151-0053
東京都新宿区西新宿1-3-13 I&Kビル3F
電 話番号 03-5325-5331
FAX 03-5325-5332
URL http://www.commercial-design-lab.jp