menu

経営者のための最新情報

実務家・専門家
”声””文字”のコラムを毎週更新!

文字の大きさ

マネジメント

第103回 『こだわりを捨てる』

社長の右腕をつくる 人と組織を動かす

女性や子供向け商品を製造販売している会社の社長さんと、結婚式で同席する機会があった。

入場からお開きまでピッタリ3時間。その間のスピーチは新郎側、新婦側それぞれ一組ずつ、
お色直しもなしという、スッキリしたものであった。

聞けば、そのホテルがこれからの披露宴のあり方として提案、新郎新婦側も受け入れたことから
実現したとのことだったが、おかげで料理も楽しめたし、その社長や周りの人との会話も弾んだ。


その中でどういうわけか、≪男のこだわり≫といった方向に話題が移り、くだんの社長は、
次のように発言した。

「この20年間を振り返ってみて、どういうわけか、過去にこだわった時ほど商売が上手くいかない
 ことに気づいたんです。
 過去のヒットにこだわり、その延長線上に商品を出してみてもうまくいかないんですね。
 ところが、こだわりを捨てた商品となると不思議なほどに売れる。
 たしかに、若い女性や子供が対象といった特殊性はあるのでしょうが、とにかく、
 こだわりというか過去のイメージを断ち切るとうまくいくんですよ」
「つまり、女性や子供ははこれが好きなんだ、という直感を信じて最終的には結論を出すわけですが、
 ある意味では冒険ですからね。勇気がいりますよ」
 
成功の秘訣は、こだわりを捨てたところにある。


本田宗一郎氏はいう。
「私は何かことをなしてしまうと、過去をみんな忘れる。
 現在から未来へしか手を伸ばしていないんです。
 だから、いつも過去というものはしょっていないんですよ…」

あるいは、オーソン・ウェルズの映画『第三の男』のラストシーンではないが、
男は後ろを振り返るなということであろう。


この「こだわりを捨てる」は、実はビジネス社会ではとても大切になる時がある。
転勤で新しい支店を任されたり、関連企業の別法人へ赴任するときなどは、ポイントといえる。

よく、第二の職場や転出先になじめないという人がいるが、そういう人は得てして、
“以前はこうやっていた”という人に多い。
とくに、実績を上げ、ひとかどの人物といわれる人になじめない人が多いのは、
過去へのこだわりが捨て切れないからだ。


過去の経験や実績を、一度きれいさっぱりと忘れること。
まっさらなところで吸収しよう、学ぼう、という姿勢を示すこと。
新天地でスタートするときの心得としたい。

 

第102回 『コミットメントとは?』前のページ

第104回 『取締役と部課長の違い』次のページ

関連セミナー・商品

  1. 社長が知るべき「人間学と経営」セミナー収録

    音声・映像

    社長が知るべき「人間学と経営」セミナー収録

  2. 会社と社長個人の5大リスク対策セミナー収録

    音声・映像

    会社と社長個人の5大リスク対策セミナー収録

  3. ジャパネットたかた創業者「高田 明の経営法」セミナー収録

    音声・映像

    ジャパネットたかた創業者「高田 明の経営法」セミナー収録

関連記事

  1. 第189回 『外国人研修に思う』

  2. 第78回 『やめる、という選択』

  3. 第116回 『責任をとって、辞めない』

最新の経営コラム

  1. 第221話 令和7年の税制改正

  2. 朝礼・会議での「社長の3分間スピーチ」ネタ帳 2025年1月15日号

  3. 第50話 採用初任給の大幅な引上げにどう対処するか

ランキング

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10

新着情報メール

日本経営合理化協会では経営コラムや教材の最新情報をいち早くお届けするメールマガジンを発信しております。ご希望の方は下記よりご登録下さい。

emailメールマガジン登録する

新着情報

  1. 人事・労務

    第13話 来年度の賃上げを取り巻く環境
  2. マネジメント

    故事成語に学ぶ(7)月満つれば則ち虧く(つきみつればすなわちかく)
  3. ビジネス見聞録

    第5回 今月のビジネスキーワード「デジタル・トランスフォーメーション」
  4. 採用・法律

    第96回 本当は怖い偽装請負~労働契約の申込みみなし制度~
  5. キーワード

    第45回 情報セキュリティ10大脅威 2020
keyboard_arrow_up